インターフェロンは再発予防に有効か?

回答者:井上 克己
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科准教授
発行:2011年8月
更新:2013年10月

  

5年前に腎がんを部分切除しました。病理検査の結果、私のがんは悪性度が高く再発率が高いので、再発予防のためにインターフェロン療法を行うと主治医に言われ、自己注射を3年半続けました。しかし、副作用がきついこともあり、2年前に中止しました。今でも、再発を防ぐためには続けたほうがよかったのだろうかと迷うことがあります。インターフェロン療法は本当に再発予防に有効なのでしょうか。

(北海道 男性 55歳)

A インターフェロンには再発予防効果はない

2008年にネクサバールやスーテント、その後、アフィニトール、トーリセルという分子標的薬が次々に承認されました。

これらの分子標的薬が第1選択となっているため、現在インターフェロンはあまり使われなくなっていますが、分子標的薬の登場以前は、インターフェロンが腎がんに最も効果がある薬とされていました。実際、インターフェロンは日本人の肺転移には、今でも一定の効果が期待できます。

しかし、これらすべての薬剤のエビデンスは進行がんに対するものです。

以前はインターフェロンを再発予防に使用することもありましたが、エビデンスが証明されなかったので最近は用いられなくなりました。現在、腎がん再発予防効果のエビデンスがある治療はありません。

ネクサバール=一般名ソラフェニブ スーテント=一般名スニチニブ アフィニトール=一般名エベロリムス
トーリセル=一般名テムシロリムス 分子標的薬=体内の特定の分子を標的にして狙い撃ちする薬

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