2.5㎝の肝がん。治療はラジオ波か腹腔鏡手術か?

回答者:森安 史典
東京医科大学 消化器内科主任教授
発行:2012年12月
更新:2014年1月

  

2012_12_19_01

2.5cmの肝がんが見つかりました。C型肝炎ウイルスが原因と思われるがんです。主治医から、治療法はラジオ波焼灼療法か腹腔鏡手術かと言われています。どちらの治療法がいいのでしょうか。

(島根県 男性 72歳)

A ラジオ波焼灼療法を

ラジオ波焼灼療法とは、電極つきの針をお腹の皮膚から差し込み、針先から照射するラジオ波の熱でがんを焼き殺す治療です。一般的にご相談者のような3cm以下の肝がんなら、ラジオ波焼灼療法による治療が行われます。

なぜなら、侵襲度(外科手術での切開など、体が影響をうける度合い)の点では、ラジオ波焼灼療法は、腹腔鏡手術よりもかなり低いからです。というのも、ラジオ波焼灼療法では、針を差し込んだ1カ所の傷ですみますが、腹腔鏡手術は、皮膚に1cm程度の穴を5~6カ所開けて行い、患者さんの負担も大きいのです。

また治療効果の面でも、3cm以下の肝がんに限っていうと、ラジオ波焼灼療法の有効率は95%とかなり高いです。ただし、がんの大きさが3cmを超える大きいものの場合は成績が落ちるので、腹腔鏡手術のほうがいい場合もあります。

また、この方のがんの位置がわからないのではっきりとしたことは言えませんが、腹腔鏡手術で治療できるのは、肝臓の表面に近いところにあるがんに限られます。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!