C型肝炎による肝硬変。がん予防の治療は必要?

回答者:森安 史典
東京医科大学 消化器内科主任教授
発行:2012年12月
更新:2013年12月

  

2012_12_19_01

C型肝炎ウイルスが原因となる肝炎を患い、現在、肝硬変に至っています。肝硬変から肝がんになるリスクが高いと聞いており、心配です。予防法として、インターフェロンをしたほうがいいのでしょうか。どの程度効果があるのでしょうか。副作用などについても教えてください。

(鹿児島県 男性 60歳)

A 初期から中等度で体力があればインターフェロン治療を

C型肝炎から肝硬変になった患者さんはがんになるリスクが高いため、70歳代以下の初期から中等度の肝硬変の方で体力のある患者さんの場合は、がんの予防のためにインターフェロン治療を行ったほうがよいでしょう。ただし、C型肝炎ウイルスに対する有効率は、C型肝炎ウイルスのタイプによって多少異なりますが、3割くらいです。

また副作用は、発熱、関節痛、倦怠感などのかぜに近い症状が代表的なものです。また、血小板の減少による出血や、その出血が止まりにくくなる症状もあります。それ以外には、3カ月以降に見られる脱毛、うつ症状などです。命にかかわる副作用には、間質性肺炎、脳出血などがあります。

インターフェロン治療は、週1回の皮下注射と、毎日の内服薬との併用です。治療期間は48週が1コースです。ただし、肝硬変の人は肝機能の低下によって副作用が出やすいため、投与量は慢性肝炎の場合の3分の2から2分の1ほどに減量して行われることが多いです。

この方の肝硬変や身体の詳しい状態がわかりませんが、有効性や副作用の面を踏まえたうえで、がん予防に向けて積極的に対処されればよろしいかと思います。

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