ラジオ波焼灼療法、超選択的肝動脈塞栓術について

回答者:椎名 秀一朗
東京大学医学部付属病院 消化器内科講師
発行:2008年6月
更新:2013年10月

  

10年前に、C型肝炎とわかりました。症状がまったくなかったため、治療はしませんでした。そのためか、半年前に肝細胞がんが4個見つかり、肝動脈塞栓術を受けました。退院後、ウルソなどをのんでいましたが、再び、肝細胞がんが見つかりました。知人からラジオ波焼灼療法や、超選択的肝動脈塞栓術をすすめられています。これらの治療法は有効なのでしょうか。できるだけ、身体に負担のかからない治療を受けたいと思います。

(山梨県 68歳 男性)

A ラジオ波は根治治療。塞栓術は違う

一般的に、ラジオ波焼灼療法は3センチ、3個以内の場合に行います。ただし、再発の仕方にもよりますが、4個とか5個の場合には効かないというわけではありません。再発の数が4個と限られていたら、ラジオ波を行う意味はあるかと思います。

ラジオ波は、病変の周辺まで含めて焼灼します。局所の根治性は90数パーセントと高く、根治の期待できる治療法です。肝動脈塞栓術は、ラジオ波とはまったく違うカテゴリーの治療法です。がんを根治する治療法ではありません。病変の90パーセントは壊死できますが、10パーセントは残ってしまうため、3~6カ月後には再発してしまうと考えられています。

超選択的肝動脈塞栓術は、塞栓術の1つです。カテーテルを従来の肝動脈塞栓術よりも末梢の動脈まで挿入し、がんがある場所だけに塞栓物質を流します。がんが4個ほどなら、超選択的肝動脈塞栓術を行う意味もあるかと思いますが、根治をめざした治療ではありません。

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