3回目の再発。このままの治療法でよいのか?

回答者:椎名 秀一朗
東京大学医学部付属病院 消化器内科講師
発行:2005年5月
更新:2013年10月

  

66歳の父のことで相談します。3年前に肝細胞がんと診断され、エタノール注入療法を受けましたが、肝臓に2回再発し、そのたびにエタノール注入を受けました。しかし先日、また新たに肝臓にがんが確認されました。3回目の再発です。今回もエタノール注入で治療をすると言われましたが、これがいちばんよい治療なのでしょうか。また、再発予防として有効な治療はあるでしょうか。

(東京都 41歳 女性)

A ラジオ波焼灼療法も選択肢の1つ

エタノール注入療法もよい治療法ではありますが、最近ではラジオ波焼灼療法のほうが広く行われつつあります。治療成績も、ラジオ波焼灼療法のほうがよいと考えられています。

ただし、がんの部位によっては、あるいは以前に胆管の手術を受けている場合などは、ラジオ波焼灼療法を行えない場合もあります。ラジオ波焼灼療法が可能であれば、こちらに切り替えるのも選択肢の1つだと思います。

再発を予防するには、肝機能を示すASTとALT*の数値を低く抑えることが有効と考えられています。ASTやALTを下げる注射を打ったり、薬を内服する方法があります。

また、インターフェロン、あるいはインターフェロンとレベトール(一般名リバビリン)という飲み薬を組み合わせた治療法もあります。インターフェロンには、ASTとALTを下げるだけでなく、ASTとALTを上げているウイルスを駆除する効果も期待できます。

インターフェロンが効くかどうかはウイルスの量やタイプなどによってある程度予測できます。効く可能性が高い場合は、受けてみるのもよいでしょう。

*AST、ALT=細胞内の酵素で、この血中濃度を測定することで、肝障害の有無や程度を調べる。従来ASTはGOT、ALTはGPTと呼ばれていた

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!