手術はできれば受けたくない。HIFUは可能か?

回答者:森安 史典
東京医科大学 内科学第4講座(消化器内科)主任教授
発行:2011年10月
更新:2013年10月

  

2センチの肝細胞がんが判明しましたが、できれば手術をしたくありません。いろいろ調べていたら、体を傷つけずに済み、副作用もほとんどないHIFU(強力集束超音波治療)という治療法があると知りました。手術をしなくて済むのなら、ぜひやってみたいのですが、私のようなケースでもできますか。

(長崎県 男性 60歳)

A 小さいがんならHIFUは確実で安全

HIFUとは、超音波を集めて小さい焦点の部分だけを高熱にし、がん細胞を死滅させる治療法です。体の外から超音波を当てるので、麻酔は必要ないし、針を刺したり、メスで切ったりしないので、患者さんの負担は少なくて済みます。

1回の照射で焼灼できる範囲は3ミリ×3ミリ×10ミリ。大きい米粒程度です。少しずつ焦点をずらしながら照射を何度も繰り返し、点を重ねて線にし、線を並べて面にし、面を重ねて塊にするというやり方です。1回の照射に数秒かかるため、3センチよりも大きいがんだと数百回も照射しなければならず、時間もかかります。

つまり、小さくて局所に限定されたおとなしいがんに対しては、HIFUは確実で安全です。ご相談者の場合は2センチなので適用できます。しかし、大きいがんは悪性度も高いため、しっかり取り切ることが重要なので、手術のほうが確実です。

ただし、HIFUには保険が適用されません。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!