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脳転移したがイレッサを続けたい

回答者・岡本浩明
横浜市立市民病院呼吸器内科・腫瘍内科部長兼科長
発行:2013年10月
更新:2019年4月

  

肺がんと診断され、化学療法と放射線治療を受けてきました。放射線治療が終わり、イレッサを3年ほど服用してきました。このほど、脳に転移したことを告げられました。脳に転移したがんには放射線治療をして、イレッサはそのまま継続ということはできますか?放射線治療は1度終えても、再度受けることが可能ですか?

(東京都 男性 73歳)

患者さんの同意でイレッサ継続可能

横浜市立市民病院呼吸器内科・
腫瘍内科部長兼科長の岡本浩明さん

イレッサの内服が3年間と比較的長期であることから、おそらく患者さんはイレッサに感受性のあるEGFR遺伝子変異陽性の患者さんと推測します。

今回のように新たに脳転移が出現した場合、従来ならイレッサは無効と判断し、治療の変更を勧めていましたが、近年、脳以外の病変がコントロールされているなら、脳放射線、ガンマナイフまたはサイバーナイフ、脳手術などの脳局所治療を施行し、その後イレッサを継続すれば予後が改善するという報告が散見されます。

この考えは厳密にはまだ科学的に証明されたものではありませんが、米国のガイドラインはすでにこの治療法を紹介しています。確立された手法でない点を患者さんが十分に理解し、同意された場合にはイレッサの継続を行ってよいと思います。実際、当院でも何人か継続投与を行っています。

放射線治療の再開についてですが、脳転移への放射線治療(全脳照射)の既往があれば追加照射は控える傾向です。ただし、以前の照射部位が胸部など脳以外であれば全脳照射は可能です。

関連ですが、脳転移に対して、2012年6月にアバスチンの使用上の注意が「投与禁忌」から「慎重投与」に改訂されました。併用療法下において脳転移に対する有効性も報告されており、アバスチンを選択肢の1つとしても良いと思います。

イレッサ=一般名ゲフィチニブ アバスチン=一般名ベバシズマブ

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