肺の上部にすりガラス状の病変。様子を見て大丈夫か
左肺上部に8ミリのすりガラス状の病変が確認されました。医師からは炎症の可能性もあるので、様子を見ましょうと言われましたが、もしがんならば、早く治療したほうがよいのではと不安です。このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか。
(静岡県 男性 57歳)
A まずは3カ月後にCT検査を受けるとよい
すりガラス陰影は炎症、がん、あるいは前がん病変の可能性があります。ただし、がんであっても、通常は比較的ゆっくり育ちます。1センチ程度の影に対する診断指針・基準はまだ十分には決まっていませんが、日本がん検診・診断学会や日本CT検診学会では、1センチ以下のすりガラス陰影であれば、3カ月後に経過観察をすることを推奨しています。
それで、3カ月後に問題がなければ、その6カ月後に経過を観察し、それでも問題がなければ、さらにそこから1年後に経過を観察します。
8ミリといった1センチ以下の小さな影でも、濃く、輪郭のしっかりした影で、血管を引き込むなど、がんが疑われる場合は、通常、その組織を採取して、検査を行います。場合によっては、手術まで行うこともあります。また、すりガラス陰影から、途中で濃い陰影などに変わった場合も、検査や手術を行います。ご相談者は、まずは3カ月後に再びCT検査を受けられるのがよいでしょう。