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左肺に陰影。上昇するSUV値をどう考えればよいか

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2010年2月
更新:2013年12月

  

症状の経過は08年3月初め、左肺にすりガラス状4ミリの陰影発見。08年12月下旬、陰影が7ミリに白色化。09年3月初め、PET-CT検査で1センチの陰影、SUV値0.1。09年9月初め、PET-CTで1センチの陰影、転移なし、腹水なし。SUV値1.5です。別の雑誌で、「SUV値は2.5以上の場合、肺がんの可能性が高い」との記載がありました。陰影の大きさは1センチと変わっていませんが、SUV値が徐々に高くなっています。SUV値をどのように考えればよいでしょうか。

(北海道 男性 85歳)

A PET-CTよりも、ヘリカルCTを用いた高分解能CT検査を

PET-CT検査は注射で糖を入れてPETカメラで糖の代謝を見る検査で、肺がん原発部位の集積度指標SUV値を求めます。もともと糖の代謝を見る検査なので、患者さんの体調や、検査の測定時間、検査機器の種類などによって、SUV値は変動します。いつも一定の値が出るわけではありません。

一般的にはSUV値は2.5以上の場合、肺がんの可能性が高いと考えられています。これは、正しいご指摘です。ただし、SUV値が2.5以上だから肺がんとは言いきれません。例えば、炎症で腫れているリンパ節をSUV値のみから肺がんの転移と考えてしまうと間違った治療を進めてしまうことがあります。ですから、09年10月号は炎症の可能性もあるという認識で診ていただいたほうがよい、という意味合いで述べました。なお、最近では大きさによる補正をかけて正しく診断しようという試みもなされています。

相談者の場合、SUV値は3月の0.1から9月の1.5へと上昇したということですので検査の際にたまたま代謝の影響を受けて上がった可能性もあります。必ずしも、がんになっているから数値が上がってきたとは言い切れません。しばらくは、様子を見られるだけでよいと思います。現時点では、SUV値に一喜一憂することはありません。

SUV値よりも、重要なことがあります。1つは、PET-CTのSUV値よりもヘリカルCTを用いた高分解能CTによって、本当にすりガラス状の陰影と診断されたのかどうかということです。文面では経過でPET-CTを受けられたことはわかりますが、高分解能CTによる画像診断を受けられたのかどうかがわかりません。すりガラス状の陰影かどうかの診断は、PET-CTではわかりません。PETに合わせてスキャンしたCT画像はぼんやりしていて精度が低く、すりガラス状かどうかの診断はできません。とくに、1センチ以下の小さな陰影はPET-CTでは評価しにくいです。もう1つは、陰影の大きさが4ミリから1センチになっていますが大きくなった6ミリのところにすりガラス状の陰影ではなくて充実性陰影という白く濃い影が出ているかどうかです。充実性陰影が出ていたら、がんが硬く発育した可能性があり、注意が必要です。

はっきりさせるために、まずは呼吸器内科、とくに肺がんの専門医か呼吸器外科の医師に相談して、ヘリカルCTを用いた高分解能CTによる画像診断を受けてください。この検査は簡単です。患者さんは、検査装置の中で10秒前後、息を止めて横になっているだけです。病院の状況によりますが、30分ほどすれば画像ができます。

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