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免疫療法中だが、肩甲骨の痛みが激しい。温熱療法やイレッサの効果は?

回答者:坪井 正博
東京医科大学病院 呼吸器外科講師
発行:2007年6月
更新:2013年11月

  

右肺下葉に9センチ大のがん細胞が見つかりました。セカンドオピニオンで数軒の病院を飛び回り、免疫療法を知りました。この治療経験者の言葉に希望を持ち、この療法を取り入れてみました。その結果、食欲は出てきたものの、肩甲骨の痛みが激しくなりました。このままでは心配で、全身温熱療法や保留中のイレッサ(一般名ゲフィチニブ)の使用を考えています。ご助言をいただけたらと思います。

(東京都 男性 69歳)

A 痛みの緩和を優先

肩甲骨の痛みが骨転移によるものだとすると、モルヒネなどの麻薬製剤を内服して、痛みを取ることが優先されます。また、骨転移であれば放射線治療により痛みのコントロールが期待できますので、前向きに主治医の先生にご相談されたらいかがでしょうか。

一方で、免疫力を高めることは確かに大事です。私自身は患者さんに対し、自然に免疫力を高めることを推奨しています。それには、よく食べ、よく運動し、よく眠ることが大事です。大腸がんの患者さんは、運動している人ほど治療成績が優れているという最近の報告があります。運動することで、食欲が出て栄養のバランスがよくなり、体のリズムもよくなり、抵抗力もついてきます。

骨転移のある人については、まず痛みの症状を取って、十分な睡眠をとることが1つの基準になってきます。肩甲骨の痛みが取れて、活動性が少しでも増してきたら、日常生活に、適度な運動をとり入れていくことを考えましょう。そして、元気が出てくれば次の治療への意欲も湧いてくるはずです。

全身温熱療法は、私自身は体力の消耗が激しいものだと考えています。なぜなら、がん細胞が死滅すると言われている温度は42~43度で、けっこう熱いものです。だから、それだけの温度に耐えられる体力がなければいけません。もし、この治療を受けるのでしたら、担当の先生と十分に話し合ったうえでのほうがいいと思います。

また、イレッサの使用に関しては、他の骨髄抑制が強い抗がん剤を使用するのが嫌であれば、オプションの1つだと思います。期待される効果と副作用を主治医の先生から伺われて治療するかどうかを決めてください。

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