開胸手術とレーザー療法。その選択のポイントは?
早期がんと診断されました。腫瘍は、気管支の太い部分(肺門部)に発生し、直径は1センチ未満との説明を受けています。担当医の説明では、開胸手術のほかに、体に負担のかからないレーザー療法も受けられるとのことです。どちらの治療を受けたらよいのか、迷っています。治療成績は同じと考えてよいのでしょうか。2つの治療法を選択するときのポイントをアドバイスしてください。
(埼玉県 男性 65歳)
A 患部が1センチ未満なら、まず光線力学的治療法を
ご相談者のように、気管支鏡で病巣を観察することが可能な太い気管支に発生する肺がんで、大きさが1センチ以下の場合には、光線力学的治療法(PDT)というレーザー療法が適応されます。大きさのほかに病巣の深さや、場所なども考慮されますが、すべての条件を満たしているため、担当医も受けられるとおっしゃったのでしょう。
この治療は開胸手術よりも身体的な負担が圧倒的に少なく、95パーセント以上の患者さんで完全治癒が期待でき、開胸手術の成績に遜色ありません。
65歳の男性でこのタイプの肺がんですと、長年たばこを吸っていらしたのでしょう。そうした方への開胸手術は、通常よりも危険性が増えるということも考える必要があります。PDTをまずやって、うまくいかないときに手術を受けることもできます。だから、まずPDTを受けられることをお勧めします。