ガンマナイフ治療を行った脳に再発の場合、再治療は可能か?
夫(62歳)のことで相談します。肺がんからの脳転移で、2カ月前にガンマナイフによる治療を受けました。主治医からは、画像上、脳のがんは消えていると説明されましたが、再発率が高いと言われました。脳の転移がんがすぐ再発した場合でも、期間をあけずにガンマナイフによる治療はできるのでしょうか。また、脳のあちこちに腫瘍ができた場合もガンマナイフ治療が望ましいのでしょうか。
(香川県 女性 61歳)
A 期間をあけずに再びガンマナイフ治療は行える
脳転移した腫瘍が再発するケースは2つ考えられます。
1つは、ガンマナイフによる治療を行ったところに再び腫瘍が発生する場合。もう1つは、ガンマナイフによる治療をしていないところに腫瘍が発生する場合です。これらのいずれであっても、ガンマナイフ治療を期間をあけずに再び行うことが可能です。
ガンマナイフ治療では、治療装置に固定された201個のコバルト線源から出るガンマ線のビームが脳に照射されます。ビームが集中する焦点だけに放射線がかかり、その他の場所には放射線がほとんどかからないため、1回で強い治療を行うことができます。
しかし、たくさんの場所にガンマナイフを行おうとすると、焦点以外の脳にも多くの放射線がかかり、障害の危険が大きくなります。
また、腫瘍が多発している場合は、検査では見えない小さな病変がまだ隠れている可能性が高いのです。
このような場合に、見えているものだけを治療するのは意味がないと考えられ、多発性の腫瘍と認められた場合は、一般的には、通常の放射線による全脳照射が望ましいと考えられます。