苦しい家計 治療期間が心配

回答者・岡本浩明
横浜市立市民病院呼吸器内科・腫瘍内科部長兼科長
発行:2013年10月
更新:2015年2月

  

肺がん(扁平上皮がん)と診断されました。病巣は約6cmです。手術(右上葉と中葉切除)と化学療法を勧められました。収入も乏しく、未成年の子どももいます。経済状況が厳しいのですが、どのような治療をすればよいでしょうか。治療期間はどのくらいかかるでしょうか。

(神奈川県 男性 50歳)

A 治療期間は数カ月 経済的補助制度の利用を

日本では、治療費支援に関する様々な制度があります。病院の相談支援センターなどに相談してみましょう。地元の役所でも相談に乗ってもらえます。傷病手当、高額療養費制度などがあり、日本ではどんな経済状態においても、適切な医療を受けられる仕組みになっています。

相談者には、手術と抗がん薬の合併療法が提示されています。化学療法は一般的には術後投与が推奨されています。術後の病理病期がⅡA、ⅡB、ⅢA期のいずれかであり、元気な方であれば、シスプラチン併用化学療法が推奨されます。治療期間は3週ごとに4コース行いますので、手術から化学療法開始まで約1カ月とすると、計4カ月の治療期間が想定されます。

相談者は、Ⅱ、Ⅲ期相当の肺がんと思われます。もし、手術中に切除不能と判断した場合は中止し、化学療法や化学放射線合併療法などが勧められることになります。

就労はデスクワークであれば治療終了直後から可能ですが、肉体的な労働が主な場合には数カ月かかることもあります。

シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ

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