軟膏がうまく塗れない。有効な塗り方は?

回答者・久保田 馨
日本医科大学付属病院がん診療センター長
発行:2016年3月
更新:2016年6月

  

イレッサの服用を始め、1日2回、保湿剤(ヒルドイドソフト軟膏)を顔や体に塗っています。ただ、これまでクリームなどをあまり塗ったことがないので、どの程度塗ったらいいものか、よくわからないのですが……。

(67歳 男性 愛知県)

人差し指の第一関節の量で 手の平2枚分の面積に塗る

日本医科大学付属病院がん診療
センター長の久保田 馨さん

保湿剤は、効果を得るためにしっかりした量を皮膚全体に塗布します。ヒルドイド、ビーソフテン、ワセリンなどの保湿剤は水分が逃げないように〝ふた〟をする役割を持っています。ですから、皮膚が湿っている状態のときに塗ると十分な保湿効果が得られます。お風呂上がりや洗顔、手洗い後に塗ったり、ローションで皮膚を軽く湿らせてから塗るのがお勧めです。

ワセリンは寒い時期だと硬くなるので、手の平で温めて柔らかくしてから使うのがコツです。保湿剤は指先ではなく手の平を使って、やさしく塗り広げます。

ステロイド外用薬は、皮疹の部位のみに塗ります。すり込むように塗ると、効果がでません。大人の人差し指の先から第1関節の長さまでを出した量(約0.5g)が適量です。この量を1FTU(フィンガーチューブユニット)と言います。1FTUで、成人の手のひらの面積約2枚分に塗ることができます。ローションでは、1円玉くらいの量が約0.5gです。

図1 チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)皮膚障害対策フロー

日本医科大学Skin care team(sCAT)

イレッサ=一般名ゲフィチニブ ヒルドイドソフト軟膏・ビーソフテン油性クリーム=一般名ヘパリン類似物質

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