皮膚障害で 減量や休薬になることはあるか

回答者・久保田 馨
日本医科大学付属病院がん診療センター長
発行:2016年3月
更新:2016年6月

  

イレッサの服用から約2週間後、お腹や背中に赤い発疹が出ました。ステロイド外用薬(アンテベート軟膏)を塗っていますが、副作用が気になるので、長く続けたくありません。もし改善されず、皮膚障害が強いと減量や休薬になることもあるのですか。

(55歳 女性 東京都)

改善されなければ休薬も。コントロールが大切

日本医科大学付属病院がん診療
センター長の久保田 馨さん

ステロイド外用薬の副作用には、毛細血管拡張、皮膚萎縮などがありますが、皮疹の部位のみに集中的に使って短期間で治すようにすれば、怖い薬ではありません。しばらく経過を見ても症状が改善されない場合は、医療スタッフに相談してください。

減量・休薬については、当院(日本医科大学付属病院)の薬剤部と化学療法科が共同で実施した「EGFR-TKI処方患者における皮膚障害に関する後ろ向き調査」によると、減量、休薬が必要になった皮膚障害(ざ瘡様皮疹、発疹、乾燥、掻痒、頭皮の皮疹・痂皮化による出血や疼痛)はイレッサ 11.5%、タルセバ 33.3%、ジオトリフ 20%でした。皮膚障害で中止になった方は114名中2名のみでした。

現在、様々な施設で皮膚障害対策が行われています。当院では多職種からなるスキンケアチーム(Skin care team; sCAT)を立ち上げ、薬剤別の皮膚症状対策のマニュアルを作成しています(図1)。皮膚障害を上手にコントロールしながら治療を継続することが、患者さんのメリットになります。

図1 チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)皮膚障害対策フロー

日本医科大学Skin care team(sCAT)

イレッサ=一般名ゲフィチニブ アンテベート軟膏=ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)処方患者における皮膚障害に関する後ろ向き調査=対象(EGFR-TKI処方歴のある患者)は114名(男42 女74)で、イレッサ61名、タルセバ33名、ジオトリフ20名。保湿剤や外用ステロイド薬の処方歴、減量・中止の理由などについて後ろ向きにカルテ調査を行った。(岸田悦子他、第56回日本肺癌学会学術集会2015年) タルセバ=一般名エルロチニブ ジオトリフ=一般名アファチニブ

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