キイトルーダ投与後の治療方法は
76歳の父のことでご相談があります。2018年11月に定期健康診断で肺に影が見つかり、肺腺がんステージⅡと診断されました。腫瘍の大きさは6㎝です。
2019年2月に開胸手術を行いましたが、胸膜への転移があり腫瘍は摘出できませんでした。
そこで2月から免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)+パラプラチン(一般名カルボプラチン)+アリムタ(一般名ペメトレキセド)の3剤での治療をはじめましたが、副作用で倒れ、肺気腫と狭心症の診断を受けました。
3月からはキイトルーダのみ投与。4月から夏ごろまで副作用で下痢が続き、大腸炎になりステロイドを服用。CT検査の結果、腫瘍は半分に縮小。
5月に膀胱炎で血尿、泌尿器科での検査ではとくに問題なく、その後は経過観察。11月CT検査の結果、腫瘍が元の大きさに増大。12月、1月とキイトルーダを投与しましたがCT検査の結果、腫瘍の大きさに変化はありませんでした。
そこでご相談ですが、高齢で心臓疾患のあるため、今後の治療方法が限られてくると思いますが、どんな方法が考えられるでしょうか。
(48歳 女性 栃木県)
A キイトルーダをこのまま続けてみたら
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
75歳以上のご高齢の患者さんでは、3剤の併用は強い副作用が出やすいようです。
副作用で下痢が続き、しばらくキイトルーダの投与をお休みされている間に、腫瘍が元の大きさに増大したのだと思われます。12月、1月とキイトルーダを投与した結果、腫瘍の大きさに変化がなかったというのは、キイトルーダの効果と思われますのでこのまま続けられたらいかがでしょうか。
しばらく続けてみて、もし腫瘍が増大するようならタキソテール(一般名ドセキタキセル)やアブラキサン(一般名パクリタキセル:アルブミン懸濁型)などをご検討ください。
免疫チェックポイント阻害薬を使用した後にこれら抗がん薬を使用した場合、抗がん薬の効果が高まるというデータもあります。