主治医の勧める治療法以外にないのか
3年前の2017年4月に非小細胞肺がんステージ(病期)1bとの診断を受けて、左肺の1/3を切除する手術を受けました。
遺伝子変異がEGFR陽性とのことで、手術後、再発を予防するためにイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を服用していましたが、2019年1月に脳転移が見つかり、ガンマナイフで治療。その後、1年以上タグリッソ(同オシメルチニブメシル酸塩)を服用していましたが、効かなくなっていると言われ、タキソール(同パクリタキセル)とアバスチン(同ベバシズマブ)の抗がん薬治療を勧められています。
私の場合、免疫チェックポイント阻害薬は効果がないのでしょうか。先生に質問したら、「効きにくいだろう」と言われました。やはり抗がん薬治療以外ないのでしょうか。
(51歳 女性 香川県)
A EGFR陽性の場合、ABCP療法が推奨されます
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
非小細胞肺がんで完全切除を受け、ステージ1bと診断された場合の標準治療は、ユーエフティ[UFT](一般名テガフール・ウラシル顆粒)の内服治療です。
術後補助化学療法の目的は、根治(こんち)の割合を増やすことですが、残念ながらEGFR陽性患者に対しても、イレッサが生存期間を延長するというデータはありません。現時点では、EGFR遺伝子変異に対する薬剤には耐性が出来ている状況だと思います。
免疫チェックポイント阻害薬は、EGFR陽性患者に対しては単剤(免疫チェックポイント阻害薬のみでの治療)では、効果は出にくいです。
しかし、化学療法(抗がん薬)と併用した場合は、EGFR陽性であっても効果が期待されます。これまで化学療法をお受けになっていませんので、化学療法と免疫チェックポイント阻害薬との併用療法を検討されてはどうでしょうか。
EGFR陽性の場合は、パラプチン(同カルボプラチン)+タキソール(同パクリタキセル)に、アバスチン(同ベバシズマブ)、免疫チェックポイント阻害薬のテセントリク(同アテゾリズマブ)を併用するABCP療法が推奨されます。