よくなったが、再発が心配
3年前に非小細胞肺がんステージⅣと診断され、免疫賦活治療を受けました。経過は順調によくなってきていて、現在は、ほぼ原発のがんも脳や骨に転移したがんも見えなくなっています。
しかし、ステージⅣで余命宣告までされた状態から、元通りの健常者になることは無理で、やはり再発は逃れられないのでしょうか? よくなっても、いつかは再発かと思うと不安しかありません。
(58歳 女性 東京都)
A 頑張ってきた自分自身を認めて、大切な日々を
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
3年前に非小細胞肺がんステージⅣと診断されて、余命宣告までされたとのこと、大きな衝撃だったと思います。つらかったですね。しかし、治療を受けられ、原発のがんも転移したがんも見えなくなっているとのこと、素晴らしい治療効果です。よく克服なさったと思います。
再発に関するご質問ですが、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療を受けられたと思います。この薬剤は効果がある患者さんには、ほかの薬剤と比べてかなり長期に効くというのが特徴で、根治(こんち)が得られることも期待されています。
しかし、一般に使われるようになってそれほど長い期間が経っていないため、長期の再発の割合などについては、データが充分ではないのが現状です。
さて、「いつかは再発かと思うと不安しかない」とのこと、診断されたときの衝撃を思い出され、不安を感じられるのは当然かと思います。まずは、これまで頑張ってきたご自身を自ら認めてください。
今後についてですが、再発のリスクを減らすように食事、口腔ケア、運動、睡眠など、生活を見直すことがまず必要でしょう。
最後に哲学的なお話です。もし、残された人生の時間が長くないとしたら、あなたにとって何が一番大切ですか? 肺がんと診断される前のご自身や健常者と比較することなく、「いま、ここ」に集中して、大切な日々をお過ごしいたければと思います。