タグリッソ治療中に間質性肺炎。他に治療法は?

回答者●久保田 馨
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授
発行:2021年7月
更新:2021年7月

  

75歳の母のことでご相談です。2010年9月に肺がんが見つかり、10月に手術。2014年10月に再発、ステージⅣで胸膜播種(きょうまくはしゅ)。その後、イレッサ、タルセバ、アバスチン+アリムタ+カルボプラチンを使用。2020年11月からタグリッソ治療。それがとても効いていましたが、2021年1月、間質性肺炎のため中止。その後、ハイパーサーミア(温熱療法)を行いましたが、全く効果なく、CEA(腫瘍マーカー)も13まで上昇。

主治医からは、「このまま何もしなければ余命は半年、長くても1年」と言われました。また、「タキソテール+サイラムザの点滴なら効果があるかもしれないが、30%ぐらいの人しか効かない。間質性肺炎を発症すると命の危険があるので、今後の治療は難しい」と言われました。

タグリッソの治療中に足がつるため、ツムラ68(漢方薬)を服用していましたが、それが間質性肺炎を引き起こしたのか、タグリッソが原因なのか結局不明でした。

家族としてはタグリッソがよく効いていたので、もう一度使えたらと思いますが、間質性肺炎で命を落とす危険性があると言われています。ドセタキセル+ラムシルマブの点滴がいいのか、他に何か治療法があるのか、参加できそうな治験があるのかアドバイスをお願いいたします。

(50歳 女性 愛知県)

少量ステロイド+タグリッソの検討を

日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん

タグリッソ(一般名オシメルチニブ)で間質性肺炎を起こした場合、再度タグリッソを使用すると再び間質性肺炎になる頻度は高いと報告されています。しかし、間質性肺炎を発症した後、少量のステロイド薬(同プレドニゾロン)5mg/日を使いながら再度タグリッソを開始し、間質性肺炎を起こさず治療可能だったとの報告もあります。

第1世代のイレッサ(同ゲフィチニブ)は、間質性肺炎を起こしたときの死亡率が40%程度と高かったのですが、タグリッソは10%程度とイレッサよりも死亡のリスクは低いようです。タグリッソの場合は、間質性肺炎を発症しても、早期に対処すれば重篤になる可能性は低いと考えられます。

タグリッソ以外ですが、ご高齢ですので、ドセタキセル(商品名タキソテール)+ラムシルマブ(同サイラムザ)は、やや感染症発症のリスクが高いかと思います。

アブラキサン(同パクリタキセル-アルブミン懸濁型)70mg/m2の週1回投与(3回投与して1回お休み)も選択肢になると思います。

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