術後化学療法を受けたいのだが
2021年12月の定期検診で、左肺に影があると指摘されました。呼吸器外来で肺がんの可能性を指摘され、再検査になりました。検査の結果、左肺上区域切除術を受け、組織検査で1.4㎝の腺がんで胸膜浸潤があり、1B期と診断されました。肺葉切除術を行わなかったのは既往症として特発性血小板減少性紫斑病があったからです。
主治医から区域切除術の場合、術後の抗がん薬治療を行うためのガイドラインがないと聞きました。再発がとても心配ですが、大丈夫なのでしょうか。またステロイドによる治療も受けてはいません。
(43歳 女性 埼玉県)
A 主治医と血液内科の医師とよく相談してみることが大切
日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
肺葉切除か区域切除かは、術後補助化学療法の選択において問題とはなりません。1B期であれば、内服薬のUFT(一般名テガフール・ウラシル)が標準治療です。ただし、この薬の副作用として血小板が減少する可能性がないわけではありません。
主治医は特発性血小板減少紫斑病(ITP)があるため、術後化学療法を選択しなかったのではないかと思います。再発のリスクとITP悪化を天秤にかけることが必要でしょう。主治医と血液内科の医師とよくご相談されてはいかがでしょうか。