肺腺がんの肝転移。有効な化学療法は?

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2010年2月
更新:2013年12月

  

非小細胞肺がんの腺がん。肝臓への転移があり、手術はできないとのこと。臨床試験中の化学療法や、日本では未承認だが海外では一般的に使われている薬を個人輸入してでも治療を受けたいと思っています。少しでも有効な化学療法について、アドバイスをしてください。

(大分県 女性 53歳)

A 世界標準の抗がん剤治療は、アバスチンを含む3剤併用

病期は4期ですから、手術で治癒することはありません。非小細胞肺がんのうち末梢肺腺がんに対する世界標準と言える抗がん剤治療としては、パラプラチン(一般名カルボプラチン)とタキソール(一般名パクリタキセル)、アバスチン(一般名べバシズマブ)の3剤併用が挙げられます。

国内では、これまでアバスチンが非小細胞肺がんに適応されていませんでしたが、09年11月に、扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに適応拡大されました。

また、最近ではEGFR(上皮成長因子受容体)というたんぱく質の遺伝子変異のある人には分子標的薬のイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を早くやったほうがよいかもしれないというデータが出ています。ですから、まずはEGFR遺伝子があるかどうかを確認されるとよいと思います。

EGFR遺伝子があれば、イレッサを最初にやるのも1つのオプションです。EGFR遺伝子がないとか、はっきりしない場合で体力があって抗がん剤の副作用に耐えられればパラプラチンとタキソール、アバスチンの3剤併用を行うのも1つの考え方です。

未承認薬については、過剰な期待はしないでください。海外で承認されているから絶対によい薬とは言えません。薬によっては、効果に人種差があるかもしれません。したがって、日本でのデータがない薬を使用することはリスクを伴います。未承認薬の効果と毒性を理解したうえであれば使用可能かとは思います。ただし、私の立場からはお勧めできません。

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