イレッサとタルセバ、どちらが副作用が強い?
母(64歳)のことでご相談します。母は4年前に非小細胞肺がんの4期と診断されました。先日まで、サードラインとしてイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を2年3カ月服用していましたが、効かなくなったため、1カ月ほど休薬して、タルセバ(一般名エルロチニブ)を服用することになりました。イレッサではとくに重い副作用は出ていないようでしたが、タルセバのほうがイレッサに比べて副作用がやや強いと聞き、心配です。イレッサで副作用があまり出なかった場合、タルセバでも副作用はあまり出ないと考えてよいのでしょうか。
(三重県 女性 38歳)
A タルセバのほうが副作用は強い
副作用の程度も、副作用が起こる割合も、タルセバのほうがイレッサよりも勝っています。下痢はイレッサの3割増し、皮疹(皮膚の発疹)はイレッサの2割増しで起こりえます。
イレッサで副作用の出なかった人では、タルセバの副作用が出なかったあるいは軽かったかどうかについては、十分なデータがありません。
個人的には、イレッサを飲み始めた時より程度が軽かった人を何人か経験しています。下痢に対しては下痢止め、皮疹に対しては塗り薬などの対症療法がありますし、副作用がひどいときには休薬で症状が治まることもありますので、必要以上に怖がらなくても良いかもしれません。
イレッサが効かなくなった人にタルセバを投与した場合、奏効する割合は10~15パーセント前後と言われています。ただし、効果があった人も、イレッサを服用したときほどの劇的な効果は通常、現れません。
イレッサが奏効しなくなった場合、イレッサにタキソテール(一般名ドセタキセル)などの抗がん剤を加える治療法も1つのオプションとして検討されています。