1A期の肺腺がん。治療は手術だけでよいか

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2009年10月
更新:2013年11月

  

2009年の8月に1A期の肺腺がんと診断されました。がんの大きさは2センチ弱です。画像上では、病変は濃い影が比較的はっきりと見えるそうです。今後、手術を予定していますが、手術が無事に終われば、がんは治るのでしょうか。それとも、手術が成功しても、さらに何らかの治療が必要でしょうか。

(香川県 男性 64歳)

A 術後の診断で病期が変わり、抗がん剤治療が必要になることも

手術前に大きさ2センチほどの1A期肺腺がんと診断された患者さんの20パーセント前後に、手術後の顕微鏡検査でリンパ節転移が認められます。

実際には、1A期ではなく、2期、場合によっては3期であることもあります。

1A期であっても、10~15パーセントほどの方には再発のリスクがあることが知られています。また、「病変は濃い影が比較的はっきりと見える」と書かれていますが、こうした肺がんは、淡いすりガラス状の陰影だけが写る肺がんに比べて再発しやすい傾向があるともいわれています。

治療が手術だけですむかどうかは、手術で取り出したがんの顕微鏡検査の結果によります。もしも2期以上であれば、再発予防の補助治療として抗がん剤治療を検討するのが標準的な考え方です。

なお、手術前の診断で1A期の肺腺がんには、手術が標準の治療です。

体力的に手術が難しい、あるいは、手術を受けたくない場合には放射線治療を考えますが、とくに手術に抵抗がない限り予定どおり手術をお受けになるのがよいと思います。

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