慢性気管支炎で肺がんの手術に耐えられるか?

回答者:吉田 純司
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長
発行:2007年8月
更新:2013年11月

  

軽い症状ではありますが、長年、慢性気管支炎を患っています。そうしたなか、先日、肺がん(大細胞がん、2A期)が発見されました。肺の機能は、ヒュー・ジョーンズ分類で「1」といわれています。主治医からは「手術に耐えられる」と言われましたが、がんになる前から、階段を上り下りする際などは多少しんどいこともあり、手術に耐えられるのか不安です。

(新潟県 男性 61歳)

A 駅の階段をスムーズに上りきれるかが、1つの目安

表に示すように、ヒュー・ジョーンズ分類で「1」の方の肺の働きは健常な人と変わりません。喫煙者であるなど手術のリスクが高い要素が他になければ、呼吸機能という点からはそれほど問題ないでしょう。駅の階段が多少しんどくても、上りきってひと休みすればすぐに回復する程度でしたら、特別な心配をする必要はありません。

当センターでは、肺機能が心配な患者さんには、パルスオキシメーターという医療機器を指に付け、2階分の階段を上ってもらい、血液中の酸素量や脈拍数の変化を測ることがあります。その結果、酸素量が大きく下がったり、脈拍数が大幅に増えたりする場合は手術を見送ることもあります。

[ヒュー・ジョーンズ分類(呼吸困難の程度の分類法。5段階で表す)]
1 同年齢の健常人と同様に歩行・階段歩行・労働ができる
2 平地は健常人と同様に歩行できるが、坂道・階段は健常人並みには歩けない
3 平地を健常人並みに歩けないが、自分のペースなら1.6km以上歩ける
4 休みながらでないと、50m以上歩けない
5 会話や着替えにも息切れがする

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