1A期の肺腺がん。抗がん剤や放射線で治らないか?

回答者:吉田 純司
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長
発行:2007年7月
更新:2013年11月

  

肺腺がんの1A期と診断されました。手術を勧められていますが、別の治療法を希望しています。抗がん剤や放射線では治せないでしょうか。

(香川県 女性 56歳)

A 放射線治療もありうるが、手術が最も確実

1期の肺腺がんに対して、治癒が最も期待できる治療法は手術です。抗がん剤治療だけでは治癒しません。放射線治療は、重粒子線や陽子線、定位照射という、病変に集中して大量の放射線を当てられる方法が開発されてきて、1期の肺腺がんに功を奏する可能性はあります。とりわけ、がんの大きさが3センチ以下である1A期の場合は、このような方法にかなり期待できそうであることがわかってきています。しかしそれでも、手術ほどの確実性、実績はないのが現状です。

また、抗がん剤治療や放射線治療が手術に比べ、必ずしも安全なわけではありません。このような治療でも致命的な副作用が生じる可能性はゼロではないのです。56歳と比較的若く、かつ非喫煙者ですから、一般的には手術はかなり安全です。ただし、手術の危険度を左右する要素はいろいろありますから、主治医にご相談下さい。

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