TS-1で、副作用が出て中止。低用量で効果が現れる可能性は?
2003年、非小細胞肺がん4期と診断され、抗がん剤による治療を受けました。2005年10月からタキソテール(一般名ドセタキセル)+TS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)を4クール受け、縮小効果が見られました。TS-1は服用10日前後で、味覚異常・食欲不振などの副作用が強くなり、毎回中断、2週間は継続できませんでした。2006年2月、副作用の問題を考慮し、この治療を中止しました。しかし、低用量のランダ(一般名シスプラチン)に隔月でTS-1を加える治療法であれば、継続可能であると最近になって知りました。過去にTS-1の治療を受けて、少し耐性ができた経験があっても、再度、効果が現れる可能性はありますか?
(栃木県 女性 74歳)
A 治療再開直後に副作用が出れば、長期的治療は難しい
文面からはTS-1が耐性になっているのかどうかはわかりません。副作用で中止されているので、耐性にはなっていない可能性もあり効果が現れるかもしれません。ただし、抗がん剤の効果、副作用には個人差があります。
今回は抗がん剤の量を減らして使われるということですが、量を減らせば効果が落ちる可能性もありますし、急激な副作用はないかもわかりませんが、長期連用では副作用が溜まって出てくることもあります。
私が担当した患者さんのなかには、1年近く長期的に治療した後に重度の肥厚性胃腸障害を起こした方がいらっしゃいました。相談者は以前にタキソテールとの併用療法を受け、すでに副作用を経験されているとのこと。治療開始間もない時期に同じような副作用が出るようであれば、この薬を長期的に使い続けていくのは難しいと思います。
ご質問では、放射線に関する記述がないのですが、骨転移に対する痛みの治療法は終了していると思われます。あと数カ月は、この放射線の効果は続いていくはずです。この時期にTS-1とシスプラチンを併用すると放射線の効果が強まる期待がある反面、放射線治療した場所によっては新たに副作用が出てくる可能性があることを覚えておいてください。