腺がんで手術後、胸椎へ転移。今後の治療法は?

回答者:吉田 純司
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長
発行:2005年7月
更新:2013年11月

  

7年前、非小細胞がん(腺がん)になり、肺の右上葉を切除する手術を受けました。それから4年が経って再発したため、ジェムザール(一般名ゲムシタビン)とナベルビン(一般名ビノレルビン)の治療を1年半続けました。その直後に胸椎への転移が判明したため、放射線治療、さらにタキソール+パラプラチン、およびタキソール単剤での治療を受けました。しかし、これらの抗がん剤は副作用が強く出たため中止し、2004年1月から9月までイレッサを服用しました。2005年1月、造影CTおよびPET(陽電子放射断層撮影法)検査で大動脈弓背部に腫瘍が発見されたため、イレッサを再開しましたが、効果はありませんでした。4月からは、TS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)+ブリプラチン(もしくはランダ、一般名シスプラチン)の治療を受けています。大動脈弓背部の腫瘍は縦隔リンパ節転移なのでしょうか。あるいは、肺の内部の転移でしょうか。また、今後どのような抗がん剤治療が考えられるでしょうか。

(福岡県 女性 72歳)

A イレッサ、カンプト+パラプラチンなどが考えられる

大動脈弓背部の腫瘍は、肺がんの転移と考えられます。それがどういった種類の転移であるにしても、元の肺がんが離れた部位に転移して広がってしまっていることに代わりはないので、治療方針には影響をもたらしません。大切なのは、今後どのような治療を行うかです。

まずは、現在受けているTS-1とシスプラチンの併用療法が功を奏するのを期待したいと思います。もしこの治療が効かない場合は、いくつかの選択肢が考えられます。

1つは、イレッサをもう1度服用する方法です。イレッサはかつて効果がなかったようですが、1度イレッサを服用し、効かなくて(あるいは1度効いたが効かなくなって)、別の抗がん剤治療を受けた後に、再びイレッサを服用すると、今度はイレッサの効果が出る場合があります。これは、学問的レベルの信頼性のある話ではありませんが、医師の個人的な経験のレベルではときどき見受けられることです。ですから、イレッサを再び服用されるのも選択肢の1つでしょう。

2つ目としては、カンプト(もしくはトポテシン、一般名イリノテカン)+パラプラチンの2剤併用療法も考えられます。ただ、パラプラチンは1度、副作用がきつく投与をやめているようなので、この治療法を受ける場合は効果と副作用の兼ね合いを見ながら進める必要があります。

ほかには、カンプト+ジェムザール、またはカンプト+ナベルビン、あるいはカンプト単剤などの治療もありえます。ただし、単剤での治療は2剤併用療法に比べると効果は一般的に劣ります。

今後の可能性としては、分子標的薬のタルセバ(一般名エルロチニブ)があります。今はまだ、承認の手続き中ですが、今後、承認されれば、タルセバを使ってみるのもよいと思います。

上記のいずれの抗がん剤も、必ずしも効果があるとは限りません。しかし、抗がん剤治療に挑戦するお気持ちが強いようでしたら、主治医と相談しつつ、副作用との兼ね合いでお試しになって下さい。

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