手術後、右の副腎に転移。今後、手術を希望しているが……

回答者:吉田 純司
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長
発行:2005年7月
更新:2013年11月

  

63歳の父が非小細胞肺がんと診断されました。ステージは2で、リンパ節転移があり、肺の4分の1を切除する手術を受けました。半年後、右の副腎への転移が判明し、しばらくイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を服用しましたが、ほとんど効果がありませんでした。その後はタキソール(一般名パクリタキセル)とパラプラチン(一般名カルボプラチン)を使っていましたが、副作用が強く出て、現在は中止しています。本人は、副作用に苦しめられたため、これ以上の抗がん剤治療は避けて、できれば手術を希望しています。手術は可能でしょうか。

(茨城県 女性 37歳)

A 副腎の切除手術を行えるケース。選択する価値はある

ご相談者のようなケースで、体力的に問題がなければ、手術を受けることをお考えになってもよいと思います。 非小細胞がんで、副腎に1カ所だけ転移し、手術を行った場合の5年生存率は約4割ほどもあるというデータが報告されています。逆に言えば、6割の方は5年以内に亡くなっているのですが、データとしては決して悪くはありません。チャレンジしてみる価値はあると思います。

ただし、元のがんがリンパ節に転移していたことは不利な条件です。また、もし片側の副腎以外にも転移しているのであれば、通常、手術は行いません。他にも転移が潜んでいることが多く、手術が役に立たない可能性が高いためで、そのようなときは、抗がん剤治療が主体となります。

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