直径1センチ以下の脳転移巣。治療法は?

回答者:森田 明夫
NTT東日本関東病院 脳神経外科部長
発行:2010年11月
更新:2013年11月

  

数年前、65歳の父が非小細胞肺がんの腺がんと診断されて、手術を受けました。退院後の経過は順調でしたが、最近、定期検査で脳に2カ所の転移が見つかりました。いずれも直径1センチ以下とのことです。体に負担の少ない治療法について、アドバイスしてください。

(愛媛県 女性 38歳)

A ガンマナイフなどの放射線照射が最適

2カ所の転移が直径1センチ以下の小さな腫瘍なら、ガンマナイフなどを用いた定位的放射線照射がよいと思います。腫瘍を縮小させることもできるし、コントロールもできます。転移性の脳腫瘍が見つかるたびに、ガンマナイフで治療をします。5回も6回もガンマナイフを受けているケースもあります。

ガンマナイフ治療は数日の入院で可能であり、生活の質を落とすことなく、社会生活を営み、腫瘍と闘いながら生きることができる人が数多くいらっしゃいます。ただし、同時に原発の非小細胞肺がんの治療もしっかりと行うことが大切です。

また、改めてMRIで撮ってみたら、2個のうち1個は2~3センチ以上になっていた場合は、通常なら手術で切除します。もう1個の小さいのはガンマナイフを照射します。

さらに、転移数が10個とかに増えていて、脳全体にばらまいたようになっていることもあります。こうした場合には、全脳照射を分割して行う分割照射をお勧めします。同時に、さまざまな化学療法を用いて、原発の非小細胞肺がんの治療も行います。

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