タルセバの副作用は?
私は、2004年3月3日ある病院で肺腺がんの手術を受けました。右上葉、下葉を切除。その後、3クールの抗がん薬治療をしました。3年前に左肺に再発、イレッサ*を服用してきましたが、1カ月前の診察で数値が高くなり、がんも大きくなったようです。2013年1月からタルセバを服用することになりました。イレッサが効かなくなったことで、次の薬を使うことになりましたが、副作用に不安があります。どうしたらよいでしょうか。
(福岡県 女性 68歳)
A イレッサの副作用よりも強いが、行う価値はある
タルセバ*は、基本的にイレッサと同じタイプの薬剤です。初めてそれぞれのお薬を使う場合の効果はあまり変わらないといえます。
しかし、ご相談者のように、イレッサが効かなくなった後に、同じ系統のタルセバを使ってがんを小さくする効果は15%程度と言われています。
身体の中での抗がん薬の濃度がイレッサよりもタルセバのほうが濃いので、がんの一部に効果が出ると考えていただければよいです。
出てくる副作用の種類は、イレッサと同じですが、やはり薬として濃い分だけタルセバのほうが、一般的に副作用は強いとされています。皮膚症状や下痢、口内炎、肝機能障害などがあります。
皮膚症状としては、アクネなどボツボツの赤い発疹ができるのをはじめ、かゆみや皮膚の乾燥などがみられます。タルセバで治療された患者さんのうち、程度の軽いものまで入れると98%程度に皮膚症状がでたと報告されています。ご相談者が過去にイレッサを使った際に、皮疹がでていたとしたら、タルセバを使用することで、また皮疹が強くでる可能性はあります。
しかし、私が経験したイレッサからタルセバに連続して切り替えた患者さんでは、タルセバに替えても、予想以上に強い副作用は出ませんでした。
タルセバの副作用として、ほかにはイレッサと同様の重篤な間質性肺炎がありますので、ご相談者にはとく注意していただきたいです。咳が増える、息苦しさが増す、発熱などの症状が見られたら、すぐに主治医の先生にご相談ください。
*イレッサ=一般名ゲフィチニブ *タルセバ=一般名エルロチニブ