ステージⅡの膵頭部がん。術前化学療法は有効?

回答者・神澤輝実
都立駒込病院副院長
発行:2015年6月
更新:2015年9月

  

ステージⅡの膵頭部がんと診断され、主治医から「手術でがんを取りきれるかどうかギリギリのところ」と言われました。ネット検索をしたところ、抗がん薬治療を行ってがんを小さくしてから手術をする方法もあるようですが、どの程度有効なのでしょうか。また、手術ができても再発しやすいのですか。

(68歳 女性 東京都)

術前化学放射線療法の選択肢もある

都立駒込病院副院長の
神澤輝実さん

ご相談者の方は、恐らく膵臓の周囲近くまでがんが浸潤しているのだと思われます。このような場合、術前化学療法(ジェムザール+TS-1の併用療法)を行い、がんを小さくしてからきれいに切除するという方法も選択肢の1つとなります。さらに言えば、化学療法単独よりも放射線治療を加えた術前化学放射線療法のほうが、がんが小さくなる可能性が高いと思います。また、どちらの治療法にしても、再発予防のため、術後も化学療法(TS-1またはジェムザール)を行う必要があります。

ただし術前化学療法は、どれだけ効果があるのかはまだ不明で、現在臨床試験が行われています。化学療法によってがんが縮小する人もいれば、効果がみられない人もいるため、実際に行ってみなければ有効かどうかはわかりません。術前化学放射線療法に対してもまだエビデンス(科学的根拠)はなく、現在臨床試験が行われています。

膵頭部がんはステージⅠでも再発することがあり、ご相談者の方も再発の可能性は高いと考えられます。日本膵臓学会の膵がん登録報告では、ステージⅡの切除症例の1年生存率は86%、3年生存率は51%です。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート12月 掲載記事更新!