ジェムザールの副作用がつらい。今後の治療法は?

回答者・神澤輝実
都立駒込病院副院長
発行:2015年6月
更新:2015年9月

  

2011年6月にステージⅣaの局所進行膵がんと診断され、同年7月からジェムザールとTS-1の抗がん薬治療を続けています。昨年(2014年)からジェムザール点滴後のだるさが続くようになりました。抗がん薬治療を中止するか、昨年承認されたアブラキサンを使うのはどうでしょうか。腫瘍マーカーのCAC-19、CEAともに微増を続けており、現在それぞれ130、17です。今年(2015年)になってCT造影剤のアレルギーが出て、画像診断ができないと言われ、腫瘍マーカーで状況を把握しています。今後どのような治療法が考えられるでしょうか。

(64歳 男性 宮城県)

手術を検討するか、このまま抗がん薬の継続を

都立駒込病院副院長の
神澤輝実さん

ご相談者の方の場合、2つの選択肢があると思います。まず、がんが縮小しているのであれば、現時点でがんを取り切れるかどうか、手術を再検討されてはいかがでしょうか。造影剤によるアレルギーがあるということですが、手術前にどうしてもCTによる画像診断が必要であれば、造影剤の投与前にステロイド薬を使えばできると思います。手術が可能であれば、チャレンジしてみることはとても重要です。

次に考えられるのは、このまま抗がん薬治療を継続することです。腫瘍マーカーが上がっているので、少しずつがんが再燃していることが考えられます。

アブラキサンは昨年、治癒切除不能な膵がんで適応が追加承認された薬で、ジェムザールと併用して使用すると、ジェムザール単独よりも有効であることが認められています。TS-1をアブラキサンに替えても、ジェムザールは使用することになるので、副作用という点から見れば、これまでと大きな差はないはずです。どうしても倦怠感がつらいのであれば、ジェムザールを止めてTS-1単剤という選択肢もあります。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム アブラキサン=一般名ナブパクリタキセル

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