父と兄が前立腺がんに。早期発見する方法は?

回答者:島田 誠
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科教授
発行:2008年10月
更新:2013年12月

  

父と兄が前立腺がんになり、父はすでに亡くなっています。家族に前立腺がんの既往歴があると前立腺がんになりやすいと聞き、50歳以降、PSA検査を毎年受けています。家族に前立腺がんの者がいると、リスクはどれくらい高まるのでしょうか。また、検査はPSA検査だけを受けていれば大丈夫でしょうか。

(北海道 男性 54歳)

A PSA検査に加え、直腸診と超音波検査を

前立腺がんの親や兄弟がいる人は、そうでない人に比べて2~3倍、前立腺がんになるリスクが高まると言われます。そうしたことを踏まえても、50歳以降毎年、PSA検査を受けているのはとてもよい管理の仕方だと思います。今後も続けるとよいでしょう。さらに言えば、毎年の数値を表やグラフにして、数値の動きを管理するとなおよいと思います。そうすることで、基準値内の数値であっても、PSA値の動きを確認することができます。

PSA検査で、前立腺がんのスクリーニングの大半はできますが、検査の精度をさらに上げるには、それに直腸診と超音波検査を加えてください。これら3つの検査を受ければ、90パーセント以上の確率で前立腺がんを発見できます。PSAの上がらない前立腺がんも数パーセントありますが、そうしたタイプの前立腺がんも、直腸診や超音波検査で見つけることが期待できます。直腸診と超音波検査は通常、3~5年に1回受ければ十分です。これらの検査は、人間ドックのオプションに含まれている場合もありますし、尿が出にくいなど、自覚症状のあるときに泌尿器科で検査してもらってもよいでしょう。

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