低危険度乳頭がんで再発。経過観察でと言われたが、大丈夫か

回答者:林 隆一
国立がん研究センター東病院 頭頸科・手術部長
発行:2008年4月
更新:2013年11月

  

3年近く前に甲状腺がんの手術を受けました。当時のがんは、左葉に限局していて、大きさは約1センチでした。「低危険度乳頭がん」で、あまり怖くないがんであるという説明を受けました。手術では、左葉の切除とリンパ節郭清をしてもらいました。しかし、今年の1月に再発が認められました。肺や骨などには転移していませんが、首のリンパ節への転移は確認されました。がんの大きさは1センチ弱のようです。再発したのに、「今しばらくは様子を見ましょう」と言われています。すぐに何かの治療をしなくても本当に大丈夫なのでしょうか。

(滋賀県 女性 43歳)

A 年齢などを考えると、経過観察でもさほど心配ない

甲状腺がんは、大きく「分化がん」と「未分化がん」の2つに分けられます。分化がんはさらに「乳頭がん」「濾胞がん」「髄様がん」の3つに分けられます。

甲状腺がんの中では乳頭がんが圧倒的に多く、甲状腺がんのおよそ90パーセントを占めています。乳頭がんと濾胞がんは年齢が若いほど予後がよいという特徴があります。

また、乳頭がんは一般に悪性度が低く、予後のよいがんです。その中でも、低危険度乳頭がんは非常におとなしく、進行も緩やかです。年齢が45歳未満で遠隔転移のない場合などは、低危険度乳頭がんに入ります。

低危険度乳頭がんでは、リンパ節再発した病変が動脈や大事な神経の近くにあるなどの急を要する状況でなければ、しばらく経過を観察することもあります。

経過観察中に、たとえば転移がんが大きくなるなどの変化が起きた場合には、治療が必要になります。その場合は通常、手術が行われます。

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