
2011年1月
京都府立医科大学大学院 医学研究科泌尿器外科学教授の 三木恒治さん 2009年、「膀胱癌診療ガイドライン」が日本で初めて刊行された。 しかし刊行以降、分子標的薬の登場により治療法も日々進歩を遂げている。 ガイドラインの注目ポイントとともに、現在改訂作業が進行中の改訂版での変更点について解説する。 筋層非浸潤性なら膀胱を残せる 膀胱がんは膀胱の内側を覆う粘膜に発生するがんで、肉眼でわかる血尿が...


2011年1月
京都大学大学院医学研究科 薬剤疫学分野准教授の 樋之津史郎さん 浜松医科大学 泌尿器科学教室教授の 大園誠一郎さん 再発が多い筋層に浸潤していない膀胱がんに対して、結核の予防ワクチンとしても使用されるBCGを膀胱内に注入する治療法が標準治療であるが、10年8月、標準の治療を延長する治療法が保険で認められ、今まで以上に再発を防ぐための強力な武器になった。 そこで今回、膀胱がん治療の第一人...


2011年1月
水戸済生会総合病院 泌尿器科部長の 宮永直人さん 膀胱がんの中でも、浸潤がんなら膀胱を摘出する手術が必要だし、転移があれば手術は不可能となって全身化学療法に頼るしかない。 最近は、新膀胱を再建する技術が進む一方で、膀胱を温存する治療も積極的に行われるようになってきた。 深達度で違うがんのタイプ 「膀胱がんは、がんが広がっている膀胱壁の深さ(深達度)の違いによって、粘膜下層までの表在がん(浅い...


2010年7月
群馬大学医学部付属病院 泌尿器科教授の 鈴木和浩さん 泌尿器がんで患者数の多いがんは、前立腺がん、膀胱がん、腎がんで、これを泌尿器の3大がんといいます。 腎がんを中心に、泌尿器がんに関する基礎知識や変わりゆく最新の治療を解説します。 腹部の後ろ側に存在する排尿に関係する臓器 まず“泌尿器とはどのような臓器か”というところから始めることにしよう。そもそもは尿の分泌や排泄...


2009年2月
四国がんセンター 泌尿器科医長の 住吉義光さん 進行膀胱がんに対しては、普通、膀胱をまるごと切除する治療が行われる。しかしそれを行うと、自分の力で排尿できなくなり、治療後のQOL(生活の質)が著しく損なわれる。そこで四国がんセンター泌尿器科では、切除に代わって、抗がん剤と放射線を駆使して膀胱を温存する治療が進められている。この療法では排尿機能が保たれるばかりでなく、治療成績も全摘術に劣らないとい...


2008年12月
岩手医科大学 泌尿器科学講座教授の 藤岡知昭さん がんのワクチン療法は、長い間その実現が待たれてきたが、実用化まではなかなか至らなかった。 ところが、岩手医科大学泌尿器科学講座(藤岡知昭教授)と東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター(中村祐輔教授)が新たな手法を駆使してがんに特異的なペプチドワクチンを開発。すでに昨年2月から膀胱がんを対象に、医師主導型の臨床研究を開始している。 まだ症例数は...


2008年11月
横浜市立大学大学院 医学研究科泌尿器病態学教授の 窪田吉信さん 膀胱がんの初期症状や現在の標準治療、さらには今後の治療展開について、横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学教授の窪田吉信さんに話を聞いた。 膀胱がんは喫煙が大きな危険因子 膀胱がんは、膀胱の内側を覆っている移行上皮に発生する。実は、腎盂、尿管、膀胱、尿道の内側は、すべて移行上皮で覆われていて、ここにできるがんはすべて仲間と考えてい...


2008年11月
筑波大学大学院 人間総合科学研究科教授の 赤座英之さん 膀胱がんは、膀胱壁の粘膜にとどまる非筋層浸潤がん(表在性がん)なら内視鏡で治療ができ、全摘しなくてすむが、それ以上に進行した筋層浸潤がん(浸潤性がん)は、膀胱全摘や化学療法で後遺症や副作用に苦しめられるばかりでなく、膀胱を失うというQOL(生活の質)上の大きな問題が存在する。しかし、最近このような場合でも、化学療法と放射線療法の併用により膀...


2008年11月
日本大学医学部 泌尿器科学主任教授の 高橋悟さん 尿の通り道にできる腎盂尿管がん。 組織的には膀胱がんと同じだが、膀胱よりも壁が薄いため、周囲に浸潤しやすく、予後がよくない。 どんなことに気をつけ、どんな治療をしたらいいのだろうか。腎盂尿管がんの診断と治療における注意すべき点をまとめる。 現状と症状 症状のない血尿が特徴の1つ [尿の通り道の臓器] 腎盂は腎臓でつくられた尿をためる部分で、...


2006年3月
サポート医師・赤倉功一郎 東京厚生年金病院泌尿器科部長 あかくら こういちろう 1959年生まれ。84年千葉大学医学部卒業、同大学泌尿器科入局。 90年千葉大学大学院修了、医学博士。 90~93年カナダ・ブリティシュコロンビアがんセンターがん内分泌学科・ポストドクトラルフェロー。千葉大学助手、講師、助教授を経て、2002年より現職。 前立腺がんの臨床的基礎的研究に従事 痛みのない、ピンク色の...
