胃の全摘手術後、食事ができなくなった。改善するには?
67歳の父のことでご相談します。父は胃がんのため、3年前に胃の全摘手術を受けましたが、腸が癒着しているためか、数カ月前から食事がとれなくなりました。いくつか検査を受けましたが、患部の状態は手術をしてみないとわからないと主治医から説明されました。父は、体重が減り、体力は落ち、元気もありません。この状態で手術に耐えられるか心配です。手術を受けても大丈夫でしょうか。
(富山県 女性 38歳)
A 栄養をとって、手術を行い、根本的な治癒をめざす
この方はおそらく腸閉塞になって、食事がとれないのだと思います。腸閉塞になった原因は2つ考えられます。
1つはご相談者がお書きになっているように、腸が癒着しているためです。胃がんの手術に限らず、おなかの手術をすると、腸が癒着することはしばしばあります。
もう1つ、胃がんが再発したために腸閉塞が起きていることも考えられます。
仮に早期がんで胃の全摘手術を行っているのであれば、がんの再発は考えにくく、癒着の可能性が高いと思います。
また仮に、手術の際に腹水がたまっているなど、すでにがんがかなり進行していたのなら、がんの再発が疑われます。
とはいえ、主治医の方がおっしゃるように、手術をしてみないと、おなかの中の状態は、はっきりとはわかりません。癒着と思って手術をしてみたら、がんが再発していたということもありますし、がんの再発だと思って手術をしてみたら、腸が癒着していたということもあります。
手術を受けることができるか心配をされていますが、体力が落ち、元気がないのは食べられないことが1番大きな原因だと思います。
しかし、根本的な治療をするには手術が望ましいでしょうから、まずは栄養をしっかりとることが重要です。もし少しでも、ものを食べられるのなら、栄養剤を飲むとよいでしょうし、それが無理なら、中心静脈栄養法によって栄養を摂取する方法もあります。栄養をとって、体力と気力が回復してきたら、手術を受けて、根本的な治療をされるのがよいと思います。