81歳、早期胃がん。内視鏡による切除は安全か
81歳の母のことでご相談です。歩くのが不自由で、車いすを使っていますが、会話は普通にできます。意識はしっかりしています。最近、胃カメラ検査を受けて、早期胃がんが見つかりました。内視鏡で切除できるとの説明を受けました。母には検査結果については、まだ知らせていません。告知をすべきかどうか迷っています。また、高齢なので、内視鏡による切除にも多少不安を覚えています。81歳でも、安全に受けられるのでしょうか。
(長野県 女性 54歳)
A がんであれば内視鏡治療でほとんど治る
検査結果の告知についてですが、高齢であっても、意識がしっかりしているのであれば、当然、早期の胃がんで治しやすいことも含め、きちんと伝えるべきです。
胃がん治療ガイドラインという、日本胃癌学会が作成した治療指針では、胃がんの内視鏡治療は、2センチよりも小さい早期胃がんの中でも、とくに深さの浅い粘膜がん(mがんといいます)で、顕微鏡で見た形が分化型といわれるものに行われます。この条件が満たされるとリンパ節転移がほとんどないので、内視鏡治療で病巣を取ればほとんどが治ります。お腹を開けて胃を切除するより安全ですし、なにより術後の後遺症がほとんどありません。81歳という年齢を考慮すると、ガイドラインを少し外れても、たとえば大きさが3センチでも内視鏡治療が可能であれば、手術より内視鏡治療の方がよいと思います。
なお、内視鏡治療は手術より安全ですが、出血したり、胃に穴のあくこともあります。合併症を起こして手術することもありますが、内視鏡で合併症に対応できることもありますので、経験の豊富な施設で治療を受けられることをお勧めします。