舌がんの切除と再建の手術を受けることに。後遺症が心配
舌がんと診断されました。舌の右側を3分の2ほど切除する手術を行い、その後、再建手術を行うと、耳鼻咽喉科の主治医に言われました。舌の再建手術では、腹直筋皮弁といって、腹部の皮膚や脂肪などを移植し、残った舌とつなぎ合わせるそうです。きれいに再建できる可能性が高いと言われましたが、後遺症などがとても心配です。食事や味覚、会話などに障害は残らないのでしょうか。
(大分県 男性 65歳)
A 嚥下機能の低下など。再建術がうまくいけば、障害は少ない
食事に関する機能障害は、咀嚼機能や嚥下機能の低下が考えられます。つまり、食べ物を噛んだり、飲み込んだりする行為が低下してしまう可能性があります。そのため食事をする際は、食べ物を小さく刻んだり、柔らかくするなどの工夫が必要になることがあります。
味覚に関しては、舌が3分の1ほど残ることと、舌以外にも味覚を感じる部分が口の中にあることを考えると、それほど心配される必要はないと思います。
話す際は、発音しにくい単語が出てくる可能性があります。たとえば「らりるれろ」などのように、舌の先を使う言葉は発音しにくくなるかもしれません。
いずれの障害も、再建術がうまくいき、舌をきれいに再建することができれば、少なくて済むと思います。再建術は、切除する手術の後に続いて、同じ日に行われます。
また、もし首のリンパ節郭清も行うようでしたら(このようなケースでは通常、行われます)、肩が上がりにくいとか、首が締めつけられるような感じがするなどの後遺症が起こることもあります。
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