中悪性度の2期。リツキサンは使えるか?
首のリンパ節にできた小さなしこりに気づいて受診したところ、悪性リンパ腫であることがわかりました。検査の結果、中悪性度のびまん性リンパ腫というタイプであることがわかりました。主治医からは2期と診断され、抗がん剤による治療を受けることを勧められています。悪性リンパ腫にはリツキサン(一般名リツキシマブ)という薬がよく効くそうですが、この薬が使えないケースもあると聞きました。私の病気には使えるのでしょうか。
(静岡県 男性 48歳)
A 組織検査でCD20抗原の確認を。陽性なら適応
リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞という種類があります。リツキサンは、B細胞系の悪性リンパ腫に対して使われる薬で、非常に高い有効性を示します。したがって、リツキサンを使うためには、どの細胞のリンパ腫なのかを明らかにしなければなりません。
びまん性リンパ腫は、代表的なB細胞系の悪性リンパ腫ですが、組織学的にCD20陽性かどうか確認する必要があります。CD20とはB細胞の表面に存在する抗原で、リツキサンはこの抗原に対する抗体です。このCD20が陽性なら、リツキサンの適応となります。あなたの場合、おそらくリツキサンを使うことができるだろうと思います。
リツキサンはCHOP療法と組み合わせることで、有効性が高まり、生存期間を有意に延ばすことがわかっています。CHOP療法とは、エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)、アドリアシン(一般名ドキソルビシン)、オンコビン(一般名ビンクリスチン)、プレドニゾロン(一般名プレドニゾロン)を併用する治療法です。
CHOP療法は以前から行われていた治療法ですが、現在では、CD20陽性の場合には、リツキサンとの併用が普通に行われています。
ただ、2期(2カ所以上のリンパ節領域が侵されているが、上半身あるいは下半身のみに止まっている)ということですから、病巣はある程度、限局していることになります。したがって、抗がん剤治療だけでなく、放射線治療も選択肢の1つになるでしょう。