野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」
2月の旬の食材「鱈・牡蠣・ほうれん草」で免疫アップ
鱈
魚偏に雪と書くように、雪の降る頃に脂がのって美味しくなり、身が雪のように白いことが語源。大食漢でお腹もぷっくりしていることから「たらふく食う」の語源にもなっています。白子は真鱈の精巣で、鍋、焼き物、天ぷらなどでも美味しくいただけます。
牡蠣
「海のミルク」といわれ、海の幸を凝縮させた栄養豊かな食品。顔色と肌を美しくきめ細かにし、滋養強壮、疲労回復にも役立つといわれています。滅菌処理された海水につけた後出荷されるものを生食用、海水で洗っただけのものが加熱用になります。
ほうれん草
美味しいほうれん草は、葉が濃い緑色で肉厚、張りがあります。また株が小さく、茎の部分が短めで、根の赤みが鮮やかで濃いものを選ぶと良いでしょう。ビジネス用語で「ホウ」は報告のホウ、「レン」は連絡のレン、「ソウ」は相談のソウを意味して、よく使われます。
鱈みぞれ煮
三つ葉の豊かな香りと共にさっぱりと
材料(2人分)
・鱈(切り身)80g……2切れ
・大根おろし(水で洗い絞ったもの)……60g
・三つ葉……1/2束
・小麦粉……適量
・揚げ油……適量
A
・だし……240cc
・みりん……30cc
・薄口しょうゆ……30cc
作り方
① 鱈に刷毛で小麦粉をつける。170度の油で揚げる。
② (A)を鍋に入れひと煮立ちしたら①の鱈と大根おろしをさっと煮る。仕上げに食べやすい長さに切った三つ葉を入れる。三つ葉がしんなりしたら器に盛りつける。
ポイント
鱈は煮すぎると食感が悪くなるので、さっと煮ましょう。
食材・鱈
低脂肪、高たんぱくでビタミンA・Dが豊富。ビタミンAは視力の維持や皮膚や口、咽喉の粘膜を丈夫にします。ビタミンDはリンやカルシウムの吸収を助けて、歯や骨を丈夫にします。また、がんの発生を阻害します。美肌成分のフィッシュコラーゲンも多く、動物性に比べて吸収率は約7倍。栄養摂取の効果的な調理法は「揚げる」ことで、このレシピは理にかなっています。
牡蠣雑炊
牡蠣の風味と滋養たっぷりのあったかレシピ
材料(2人分)
・牡蠣(むき身)……100g
・ご飯……200g
・水溶き片栗粉……適量
・おろし生姜……適量
・海苔……少量
A
・水……500cc
・昆布……10センチ角×1枚
・薄口しょうゆ……20cc
・酒……10cc
作り方
① 牡蠣は濃度の薄い塩水で洗い、熱湯に5分くぐらせ、冷水に取り軽く洗う。
② (A)を鍋に入れ、ひと煮立ちしたらご飯を入れて煮る。最後に牡蠣を入れ、弱火で2分煮る。水溶き片栗粉を加えて軽くとろみをつけ、おろし生姜を添える。
ポイント
牡蠣は汚れや雑味を取るために霜降りにします。煮るときには火を通しすぎないようにしましょう。
食材・牡蠣
牡蠣は亜鉛を豊富に含みます。体の中には、亜鉛を必須成分とする酵素が200種類以上あり、新陳代謝に深く関わるミネラルです。もちろん免疫力アップにも力を発揮します。欠乏すると、味覚障害、脱毛や肌荒れ、傷口が治りにくくなるなどの異常が起こったり、性ホルモンの分泌にも影響が出て、生殖機能を低下させてしまいます。1日に牡蠣を3~5個程度を食べることで亜鉛が摂取できます。ちなみに牛乳の35倍もの亜鉛が含まれています。
萬浸し
牛蒡、長芋と共にバランスよく
材料(2人分)
・ほうれん草……1/2束
・長芋……3.5センチ
・牛蒡……40g
・塩……適量
・生姜……1片
A
・だし……140cc
・薄口しょうゆ……20cc
・酒……20cc
・かつお節……適量
作り方
① 大きな鍋にたっぷりの湯をわかし、塩を入れる。ほうれん草を根元から入れて30秒ほど茹で、葉を浸し、さらに25秒茹でる。冷水に取り、水気を絞って4センチの長さに切っておく。
② (A)を鍋に入れ、ひと煮立ちしたら、漉して冷ましておく。
③ 長芋は皮をむき、3.5センチの長さのマッチ棒状に切り、水にさらしておく。
④ 牛蒡はささがきにしてさっと湯通しし、水気を絞る。
⑤ ほうれん草、長芋、牛蒡を和え、器に盛る。冷めた(A)を上からかけ、おろし生姜を添える。
ポイント
ほうれん草は1分以内で茹でましょう。
食材・ほうれん草
栄養成分の代表は鉄分で、葉酸と共に貧血予防に欠かすことができない重要な栄養分です。良質のたんぱく質と一緒に摂ることで吸収率が上がります。また、ビタミンCとの組み合わせで吸収率が上がりますが、とくに長芋のビタミンCと一緒に摂ることでアップします。また根には強い抗酸化作用があるアントシアニンが含まれています。
野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ
牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き
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