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再発卵巣がん:プラチナ系抗がん薬との併用療法など、さまざまな組み合わせが研究中 再発卵巣がん治療のポイントは「再発までの期間」で選択を

監修●竹島信宏 がん研有明病院婦人科部長
取材・文●半沢裕子
発行:2013年5月
更新:2019年11月

  

「希望をもって治療にあたっていただきたい」と竹島信宏さん

再発すると、治療が難しいと言われる卵巣がん。それでも、がんの増殖を抑えることで、できるだけ長く元気な時間を過ごせるよう、色々な治療方法が模索されています。

腫瘍マーカーCA125の上昇が再発治療のサイン

■図1 腹腔内に広がった段階

卵巣がんは腹腔内にあって自覚症状が出にくく、見つかった段階で40~50%がⅢ~Ⅳ期に進行しているとされる。そして、Ⅲ~Ⅳ期の進行卵巣がんは2年以内に55%、5年以内に70%が再発するといわれている。

そのため、「再発卵巣がんの治療」というと、一般的にⅢ~Ⅳ期の再発治療を意味するという。Ⅲ期とはがん細胞が周囲の臓器に広がった(腹膜播種など)段階、Ⅳ期とは肺や骨など遠くの臓器に飛んでしまった(遠隔転移)段階のことだ(図1)。

がん研有明病院婦人科部長の竹島信宏さんは言う。

「Ⅰ~Ⅱ期でも再発はありますが、治療はⅢ~Ⅳ期の初回治療(診断後すぐの治療)に近いものです。『いったんおとなしくなったがん細胞が、再び増殖を始めたのをどう抑えていくか』という点では、Ⅲ~Ⅳ期の再発治療がやはり中心となります」

そこで、ここでも、Ⅲ~Ⅳ期の再発治療についてまとめていく。

まず、再発が起きたことは、何によって確認するのだろう。卵巣がんの診断にも使われる腫瘍マーカー、CA125の数値だ。竹島さんはいう。

「CA125は通常35以下が正常値とされますが、初回治療後は20以下まで下がっていることが多い。そして、毎月ずっと20以下だったのが、ある日30に上がっていたら、『あやしい』と考えたほうがよく、翌月40に上がったら、まず間違いない。多くのケースでは鋭敏なマーカーなのです」

CA125の上昇を確認したら、画像で再発を確認するプロセスに入る。では、治療はどのように組み立てられるのだろうか。

プラチナ系抗がん薬の効き方で治療が選択される

■図2 初回化学療法から再発までの期間別分類

卵巣がんの初回治療は今日、ごく初期を除き、ほとんどは手術+TC療法が選択されている。卵巣がんにはプラチナ系抗がん薬の効果が高いことが知られているが、TC療法とはタキサン系抗がん薬タキソールとプラチナ系抗がん薬パラプラチンの併用療法だ。

そして、再発時に重視されるのが「再発までの期間」だ(図2)。

初回治療で目に見えるがんがなくなってから、再発治療を開始するまでの期間を、6カ月以内、6~12カ月、12カ月以上の3つに分ける。これは、いわばプラチナ系抗がん薬ががんを抑えていた期間。そのため、12カ月以上は「プラチナ感受性」、6~12カ月は「プラチナ部分感受性」、6カ月以内は「プラチナ抵抗性」と呼ばれる。

再発までの期間が12カ月以上あいた患者さんは、プラチナ系抗がん薬がよく効くと考えられるため、通常、初回治療と同じTC療法が行われます。

6~12カ月で再発した患者さんも、ある程度プラチナ系抗がん薬が効くと思われるため、TC療法を行うことがあります。

しかし最近は、代謝拮抗薬のジェムザールとパラプラチンを併用するGC療法や、抗がん性抗生物質ドキシルとパラプラチンを併用する方法など、違うタイプの抗がん薬を併用する方法がよく行われるようになっています。

12カ月以上の場合も6~12カ月の場合も完治はむずかしいものの、今一度がん細胞が消えた状態(寛解)に持ち込める可能性があります。

タキソール=一般名パクリタキセル パラプラチン=一般名カルボプラチン ジェムザール=一般名ゲムシタビン ドキシル=一般名ドキソルビシン

初回治療後6カ月以内は4剤による単剤治療

一方、初回治療後、6カ月以内に再発が認められた場合は、残念ながらプラチナ系抗がん薬が効かないと思われます。そのため、プラチナ系抗がん薬との併用は行わず、単剤での抗がん薬治療が中心となります。現在、単剤治療にはジェムザール、ハイカムチン、カンプト/トポテシン、ドキシルの4剤が主に使われます」

薬剤はどう選ぶのだろう。

「正直、効果はどれも差がないと言われています。しかし、それぞれの薬剤には特徴的な有害事象(副作用)があるので、患者さんの弱っているところにダメージを与える薬剤を避けて選びます」と竹島さん。

ハイカムチン=一般名ノギテカン カンプト/トポテシン=一般名イリノテカン

 

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