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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第66回 漢字はカッコいい<半分の三角のポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2023年11月
更新:2023年11月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

漢字がカッコいいという外国人は珍しくなくなりました。

日本人にとっては、漢字、ひらがな、カタカナの入り混じった文章には慣れ親しんでいます。だから漢字だけをとりだしてカッコいいとはあまり思いません。

カタカナ表記の人名は頭に残りにくい⁈

ところで最近読んだ小説で、ジャンル分け出来ない不思議なテイストの本に出会いました。淡々とした文体なのに奥深くて、読みはじめると途中でやめる気になれません。

それで友人にこの本のことを話題にしたいのですが、正確なタイトルが覚えきれません。

「鹿川は糞に塗れて」と一度見たら忘れにくいタイトルなのに、冒頭の鹿川は「ノクチョン」とルビがふられていて、ここが覚えられない。作者は映画監督で作家のイ・チャンドン。今、現物の本を見ながら書いているから書けるけど、カタカナ表記の人名は頭に残りにくい。英語表記ではLee Chang-dong、漢字表記では李滄東。コピペしなければ書けないけれど、漢字は頭には残る。

中国人の人名は、例えば「習近平」と漢字表記が一般的です。最近では一部では「シー・チンピン」とルビを付けているものも見かけますが、たいていはルビなしで「シュウ・キンペイ」と読むものとされています。ちなみに英語表記だとXi Jinpingです。

日本人同士では習近平(シュウ・キンペイ)で通じるけど、英語圏の人と話すとなればこれでは通じないだろうと容易に想像できます。

同じ東アジアの韓国では、中国人名の現地読みをハングルで表記するのか、漢字表記するのか、どうなんだろうなどつらつら考えるともなく考えていたら――、

日本の皆さん、習近平は「シー・チンピン」でなく「しゅう・きんぺい」でお願いします|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)というコラム(周来友著)を見つけました。

いわく、固有名詞の現地読みは在日中国人にとっては悩みの種になっていると。片仮名表記を読んでも中国語の漢字を連想することが難しく、また日本人がそれを口にしても、何を指しているかわからないというのです。

片仮名のように音をそのまま表現する表音文字を持たない中国人は、日本人の名前の漢字を中国語で発音します。逆もしかりで、母音も子音も少ない日本語で中国語の音を表現するのは至難の業だという。漢字で書けば一目瞭然なのだから、それでいいのではと読者に投げかけています。確かに漢字は仏教伝来とともに日本に伝わってからおおよそ1,500年。義務教育では小1から漢字を書き順、止め、撥ね、払いと細かく教えられてきたのですから、漢字が頭に残って当然です。

「トリコナーサナ」

ヨガが日本に普及されはじめた時代、アサナのことをポーズと訳しているヨガ指導者がほとんどでした。今回紹介する「三角のポーズ」でも英語表記Triangle Poseを「トライアングル・ポーズ」とカタカナ表記することはあっても、サンスクリット語の発音をカタカナ表記して「トリコナーサナ」と呼ぶことはまれでした。でもサンスクリット語で、カタカナ表記を使うと「何だか本物のヨガらしい(笑)」とあっけらかんと言う人もいます。それでもカタカナ表記のサンスクリット語を発音して、インド人に通じるのかどうか不明です。

古代インド文学を専攻、長く研究してきた旧知の友人にヨガスートラを暗唱していただいたことがあります。豊かな声量で朗々と語るのを聞き、感動しました。カタカナがあるおかげで、遠い文化もぐーっと身近に引き寄せることができたのですが、現地の発音はずいぶん違うのだろうと想像されます。

さて今回紹介するのは<半分の三角のポーズ>です。ふだん使わないでいる身体の部位まで丁寧に動かすことで、血液やリンパの流れを良くしていきます。

リンパ郭清をしていて、床に手をつくことを懸念される方もいます。少しでも不安を感じたらパスしてください。また腕のむくみを防ぐ手首から上腕までの手袋着用を薦めるヨガ指導者もいます。今回のポーズではキープする時間を少し短めにしてあります。

<半分の三角のポーズ>

 

手の平の向きに注意を払って行いましょう。掌の向きを変えると肩関節の向きも変化し、胸や背中が楽に開けます。その違いを味わってください。

①立位で両脚を大きく開きます。左右の脚と床面で作られる三角形が正三角形になるくらい大きく開きます。つま先は正面に向けます。腿の付け根がつらかったら、膝を少し曲げるといいでしょう
②両腕を体の脇に下げ、頭は肩からすっくと高く伸びて、息を吐きます
③吸いながら両腕を水平に上げます。このとき手の平を正面に向けるようにします。肩は下げて、右手の指先は右方向に、左手の指先は左方向に伸ばし、リーチを拡げます。リーチを拡げると肩は下がります。胸が開き、背中は左右の肩甲骨が拡がります
④息を吐きながら、右手を両足の真ん中、床に正三角形を描き、その頂点のあたりに置きます。左腕は上方に伸ばします。目は左手指先を見ます。誰かが指先を上方に引っ張り上げると想像してみよう。右手の掌が少し浮くくらい。体幹がぐ~っとねじられ、胸や背中が右手から左手を結ぶライン上にきます。このまま自然呼吸で10~20秒
⑤今度は上方に上げていた左腕をゆっくりおろし、右手の横に置き、今度は同じ要領で右腕を上方に上げていく。目は右手指先を見て。指先を誰かが上に引っ張るイメージで、体幹をぐ~っとねじる。自然呼吸で10~20秒保つ
⑥ゆっくり右腕をおろし、左手の横に戻し、少し膝を曲げながら上体を起こし③→①に、そして腰巾に両足を戻し、呼吸を整えます。2セット

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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