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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

3月の旬の食材「鰆・菜の花・生しいたけ」で免疫アップ

撮影●大関清貴
発行:2012年3月
更新:2019年11月

  


春が旬の魚なので魚偏に春、俳句でも春の季語になっています。胴体が細長く、「狭い腹」から「狭腹」(サワラ)となったそうです。出世魚であるため幼魚のころは関東ではサゴチ→サワラ、関西ではサゴシ→ヤナギ→サワラといわれています。
菜の花
油菜、菜種菜、花菜を略して菜と呼び、その花を「菜の花」と呼んでいます。地中海沿岸が原産で、日本には弥生時代に中国から渡来したといわれ、江戸時代のころまでは菜種油を搾っていましたが、明治時代に入り食用・観賞用に用いられるようになりました。

生しいたけ
季節に関係なくあることから「四季茸」、この言葉が訛って「しいたけ」という説もありますが、椎の木に発生していたことから「しいたけ」の名前がついたとされています。現在では、栽培に用いられる樹木は橡や楢が主体。栽培が始まったのは江戸時代といわれています。


鰆さつま揚げ

身が柔らかい旬だから簡単!

材料(2人分)
・鰆のすり身……250g
・にんじん……25g
・戻しきくらげ……25g
・牛蒡……25g
・揚油……適量
・おろし生姜……少々
・しょうゆ……少々

A
・小麦粉……大さじ1
・砂糖……大さじ1
・卵……1/2個
・薄口しょうゆ……大さじ1/2
・酒……大さじ1/2

作り方
① 鰆のすり身をすり鉢でする。粘りを出してからAを個々に入れてすり、くり返して生地を作る。
② にんじん、戻しきくらげは千切り、牛蒡はささがきにして水に放ってから茹でる。ザルにあげて水気を切り、冷まして①とあわせておく。
③ バットにクッキングシートを敷き、すり身を1センチの厚さに伸ばして形を整え、シートごと適当な大きさに切る。そのまま170度の油に入れて揚げ、シートを外す。
④ 器に盛り付け、おろし生姜としょうゆをかける。

ポイント
すり鉢が無ければ、フードプロセッサーでもよいでしょう。

食材・鰆
旬の鰆はEPAやDHAが多く、免疫力アップに貢献します。さらに、野菜や果物などに多く含まれるカリウムが、魚類には珍しく豊富。ナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる効果があり、高血圧予防に効果的。また、鰆に含まれるビタミンB2は脂質と糖質の代謝に関わり、成長を促進し、口内炎や口角炎を防ぎます。美容ビタミンとも呼ばれ、たんばく質と一緒に働き、美肌を作ります。


菜の花と浅利の炊き込みご飯

春の香りをいただくレシピ

材料(2人分)
・米……2合
・菜の花……4本
・浅利……200g
・生姜みじん切り……20g

A
・水……200cc
・昆布(3×3cm)……1枚
B
・水……150cc
・浅利の茹で汁……150cc
・薄口しょうゆ……大さじ2
・酒……大さじ2

作り方
① 米は洗って15分水につけた後、15分ザルにあげ、水気を切っておく。
② 菜の花は固めに茹で、2センチの長さに切っておく。
③ 浅利は、水に10分つけ、塩抜きをしてAと一緒に鍋に入れて火にかける。殻が開くまで火を通し、汁をこしておく。身は殻から外しておく。
④ ①とBを炊飯器に入れて炊き、蒸らすときに③の浅利とみじん切りにした生姜、②の菜の花を入れ、全体を混ぜ、器に盛りつける。

ポイント
菜の花、浅利は火を入れすぎないで温まる程度にします。

食材・菜の花
カルシウムや鉄の含有量は野菜の中でもトップクラス。カルシウムはほうれん草の3倍、鉄分はニラの4倍。ビタミンA、Cも含まれ、がん予防、免疫力アップ、風邪予防や美肌効果も。ストレス解消や疲労回復に効果があるアルカロイドや、わさび、からし等の辛味成分アリルイソチオシアネートも含まれ、発がん性物質の働きを阻止して、傷ついた細胞の増殖を抑える働きがあります。


納豆汁

納豆を煎ることで香ばしさとコクが出てくる

材料(2人分)
・生しいたけ……4個
・しめじ……1/2パック
・里芋……2個
・にんじん(小)……1/4本
・納豆……80g
・長ねぎ……1/4本
・水……400cc
・味噌……30g
・七味……お好みで

作り方
① 生しいたけは軸を取る。しめじは石づきを取り、小房に分ける。熱湯で霜降りにしておく。
② 里芋は皮をむき適当な大きさに切る。米のとぎ汁で固めに茹でる。
③ にんじんは5ミリの銀杏切りにして、里芋同様に茹でておく。
④ フライパンで納豆を炒め、粗みじんに切る。
⑤ 鍋に水、きのこ、里芋、にんじん、④の納豆を入れて煮る。味噌を入れて軽く火を入れて1cmの小口に切った長ねぎを入れる。

ポイント
七味や好みの辛味を入れてもよいでしょう。納豆はオーブントースターで焼いてもよいです。

食材・生しいたけ
レンチナン(β-グルカン)は、がんの発生や進行を抑えるリンパ細胞を活性化させ、ウイルス性の病気に対して抵抗力をつけます。エリタデニンは、高血圧、高脂血症、肥満を防ぐ効果があります。しいたけはこれらの成分をキノコ類の中で最も多く含みます。しいたけの旨み成分グアニル酸は、エリタデニンと協力して血液をサラサラにするので、心筋梗塞や脳梗塞の予防に期待できます。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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