胃のマルトリンパ腫、手術を避けたい

回答者:鈴木 憲史
日本赤十字社医療センター 副院長・血液内科部長
発行:2013年7月
更新:2019年7月

  

胃にマルトリンパ腫があると診断されました。最初に診断された病院では、手術で胃を全摘する治療が必要であると言われたのですが、できるだけ胃を残したいと思い、セカンドオピニオンで別の病院にかかったところ、胃のマルトリンパ腫はピロリ菌が影響していることが多く、ピロリ菌をきちんと除菌すれば手術をしなくて済むと聞きました。できたら手術をしない治療を選択したいと思っていますが、本当にそれでよいのかという迷いもあります。治療の選択について、アドバイスをいただきたいと思います。

(埼玉県 男性 61歳)

A 手術は不要。まずはピロリ除菌

手術はしなくて済みます。胃を全摘するというのは昔の話で、今はほとんどしません。

診断が確かであれば、まずピロリ菌の除菌をして、フォローを続け、もしリンパ腺などへの転移があるようならば、化学療法を受ければよいと思います。

まずは除菌をすることです。除菌後に内視鏡で見てみると、除菌だけでよくなっていることもあります。基本的に手術はありません。

ピロリ菌は、マルトリンパ腫の原因にもなるし、胃がんにも関係しているといわれています。最近では突発性血小板減少性紫斑病も、ピロリ除菌することにより3割くらいで血小板が上がってきます。

ただ、経過観察はしっかりすべきです。胃の周りのリンパ腺が腫れていないかなどをチェックし続ける必要があります。

この病気はゆっくり動くタイプですので、焦らずにじっくり治療していいと思います。

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