ミニ移植を受けたい。年齢的な心配は?

回答者・岡元るみ子
千葉西総合病院腫瘍内科外来化学療法センター長
発行:2013年10月
更新:2015年2月

  

悪性リンパ腫です。抗がん薬治療と放射線治療を受けてきましたが、再発してしまいました。ミニ移植という治療法があると知り、ぜひ受けたいと思っていますが、年齢的に耐えられるのか、心配です。ミニ移植は、これまでの移植とどのように違うのでしょうか。

(神奈川県 女性 68歳)

A 体への負担の少ない移植前治療をとる方法

悪性リンパ腫の種類やそれまでの治療効果によっては完全寛解を目標として、造血幹細胞移植を行う場合があります。これは、抗がん薬や放射線治療などの移植前治療に引き続き、造血幹細胞(白血球、赤血球、血小板のすべてに分化できる能力をもつ細胞)を輸注する治療です。

自分自身の造血幹細胞を使用する自家造血幹細胞移植と、血縁あるいは非血縁者のドナー(造血幹細胞提供者)から造血幹細胞をもらう同種移植に分類されます。同種移植は、ドナー由来の免疫担当細胞による抗腫瘍効果が期待できます。

通常の同種移植の移植前治療は、①腫瘍細胞の根絶②移植した造血幹細胞が拒絶されないように免疫を抑制する――が目的です。このような強力な治療は毒性が強いため、高齢者や臓器障害のある患者さんには耐えられません。

ミニ移植は正式には「骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植」といいます。目的をドナー造血幹細胞が拒絶されないこととし、毒性を弱めた移植前治療を行った後に同種造血幹細胞移植を行います。

治療が可能かどうかは、全身状態と悪性リンパ腫の種類や病勢によりますので、主治医にご相談ください。

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