濾胞性リンパ腫で RITは有効か?
63歳の母が2014年2月に濾胞性リンパ腫のステージⅣと診断を受け8月末までR-CHOP(*リツキサン+*エンドキサン+*アドリアシン+*オンコビン+*プレドニン)の投薬を8クール受けました。
そのときは寛解したと思いましたが12月末に再発しました。担当医は*RITを勧めました。ネット検索では再発時の対応としてR-CHOP、RIT、移植とありました。母の病態からRITがベストの選択なのか、セカンドオピニオンを検討しています。
しかし、RITの治療を行っている病院は限られており、セカンドオピニオンの病院を決めるときRITを行っている病院を選ぶべきか、RITは行っていなくても血液疾患の治療の実績がある病院を選択するべきなのかわかりません。セカンドオピニオンの選択の仕方などがありましたら教えて頂けませんか。
(32歳 男性 千葉県)
A 適応が難しいケースも。複数でセカンドオピニオンを
ステージⅣということなので、骨髄や肝臓に病変が入っていることと思います。R-CHOPを8クールということはフルに行ったということです。いったん寛解したあと、1、2年後の再発なら再度のR-CHOPトライも選択肢の1つとなりますが、相談者のお母様は比較的早く約4カ月後に再発してしまったということで、R-CHOPは抵抗性などの面で効き目が期待されないと思われます。
RITとは放射線抗体療法のことで、再発・再燃時に使うことは可能だと思います。東京大学医科学研究所附属病院などが行っていますが、細かな点で適応が限られています。それぞれの治療選択にどのようなメリットがあるか判断する必要があります。無治療で経過を見るという方法もあります。
実施している医療機関が限られ、コストもかかるので、再発の仕方をよく分析してもらうことです。
再発についてご理解いただきたいのは、濾胞性リンパ腫はステージだけではなくてグレードが重要です。再発したということはグレードが高かったのだと思われます。当院では、R-ベンダムスチン(R-B)という治療をします。リツキサンと*トレアキシンによる治療です。保険適用されていて、とてもいい治療成績を出しています。R-CHOPが効かないケースでもお勧めします。移植という選択もあり得ますが、濾胞性リンパ腫ではあまり効果が高くありません。ご本人の希望があれば考慮しますが、リスクも高いと思います。
セカンドオピニオンの相談に行く医療機関にお悩みのようですが、主だった病院ならどこでも受け付けています。RITをしている、していないということよりも、まずは最寄りの医療機関を探して、連絡をとられてはいかがでしょうか。もちろん当院でもお受けしています。医師と相談して納得した治療を受けることが大切だと思います。セカンドオピニオンは1カ所と思わずに、いくつかの病院で相談して判断したほうがいいかと思います。
*リツキサン=一般名リツキシマブ *エンドキサン=一般名シクロホスファミド *アドリアシン=一般名ドキソルビシン *オンコビン=一般名ビンクリスチン *プレドニン=一般名プレドニゾロン
*RIT=ラジオイムノセラピー:radio-immunotherapy *トレアキシン=一般名ベンダムスチン