濾胞性B細胞非ホジキンリンパ腫が再発。フルダラだけでもよいか
64歳の夫のことでご相談します。夫は濾胞性B細胞非ホジキンリンパ腫でR-CHOP療法を受け、いったん寛解しましたが、2年後に再発してしまいました。それで、リツキサンに加えて、フルダラ(一般名フルダラビン)という飲み薬(錠剤)を飲むことを提案されていますが、副作用が心配です。リツキサンをやめて、フルダラ錠を飲むだけでは効果が期待できないのでしょうか。副作用に苦しむ姿は、妻として忍びないです。
(岐阜県 女性 62歳)
A フルダラ+リツキサンを受けたほうがよい
再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫に対する治療の1つに、フルダラ単独、あるいはリツキサンを加えた治療が行われます。リツキサンを加えたほうが腫瘍縮小効果、生存期間でいい結果が多く報告されています。
ご心配されているリツキサンの副作用ですが、インフュージョンリアクションと呼ばれ、アレルギー様反応が起こるのが特徴です。具体的には、発熱やぜんそくに似た発作などが起こることがあります。あらかじめ、アレルギー様反応を予防する内服薬や点滴を行いますので、これらの副作用はある程度、抑えることができます。このような反応がおきなければ、吐き気や脱毛がないため、患者さんにとっては楽な治療と言えるでしょう。一方、フルダラを服用すると、骨髄抑制が少しずつ進行し、長引くことがあります。骨髄抑制が起こると、白血球が減少し、免疫力が落ちて、ニューモシスチス肺炎(以前は「カリニ肺炎」と呼ばれていました)や細菌、ウイルス、真菌(カビ)などに感染しやすくなります。そのため、これらの感染を予防する薬を服用することが勧められます。フルダラも、脱毛や吐き気などの副作用はあまり見られません。
リツキサンにもフルダラにも、それぞれ副作用に対する対症療法があります。インフュージョンリアクションが特別強く出たり、リツキサンの効果が低いと予測されたりする場合を除けば、フルダラとリツキサンの治療を併せて受けられるのがよいと思います。