フルダラ錠やゼヴァリンによる治療を受けたい

回答者:岡元 るみ子
東京都立駒込病院 化学療法科医長
発行:2009年6月
更新:2013年12月

  

濾胞性B細胞非ホジキンリンパ腫でR-CHOP療法を受け、寛解しましたが、10カ月で再発してしまいました。難治性の場合、フルダラ錠(一般名リン酸フルダラビン)やゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)という薬が承認されているようですが、できることなら、いずれかの治療を受けたいと思います。ただ、適応があって、だれでも受けられる薬ではないと聞きました。どのような条件を満たせば受けられるのでしょうか。

(新潟県 男性 52歳)

A 再発または難治性で、低悪性度の悪性リンパ腫なら適応になる

フルダラ錠とゼヴァリンの適応条件はいずれも、再発または難治性で、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫またはマントル細胞リンパ腫であることです。 ご相談者の悪性リンパ腫は再発していて、なおかつ、濾胞性であるため、低悪性度の悪性リンパ腫です。B細胞ですので、フルダラ錠もゼヴァリンも、どちらも使用することができます。

フルダラ錠は「錠」と付くことでもわかるように、錠剤の内服薬で、5日間、服用します。吐き気があまり起こらず、脱毛の頻度が低いなどのメリットがある一方、骨髄抑制が遷延(ゆっくり進行し、長引くこと)する点は注意を要します。骨髄抑制が起こると、白血球数が減少し、免疫力が落ちる傾向があり、ニューモシスチス肺炎(以前はカリニ肺炎と呼ばれていました)や細菌、ウイルス、真菌(カビ)などに感染しやすくなります。そのため、これらの感染を予防する薬を服用することが勧められます。

一方のゼヴァリンは、静脈内注射です。保険を使った3割負担で、1回の治療で100万円以上かかる高額の治療です。2回以上行った場合の安全性は確認されていないため、1回しか行えません。主な副作用は骨髄抑制です。また、骨髄の機能が低下している患者さん(具体的には、骨髄の25パーセント以上、悪性リンパ腫が浸潤している場合)には、ゼヴァリンを使用することはできません。

ゼヴァリンは放射性医薬品であるため、実施できる医療施設は限られます。放射線を取り扱う設備が整っていること、使用にあたり講習を受けた医師や薬剤師がいることなどの要件を満たした施設で実施されます。今のかかりつけの施設で受けられない場合は、主治医に紹介状を書いてもらうとよいかもしれません。

ご相談者はこれらの治療のいずれかを希望されていますが、現在のところ、濾胞性リンパ腫に対する標準治療は定まっていません。そのため、ご相談者の状態で最も望ましい治療をお答えするのは難しいことです。

再発難治性濾胞性リンパ腫の治療は、フルダラとゼヴァリン以外では、4種類の抗がん剤の併用療法であるESHAP療法や5種類の抗がん剤の併用療法であるEPOCH療法などのサルベージ療法(救援療法)、さらには造血幹細胞移植もあります。

フルダラ、ゼヴァリン、サルベージ療法、造血幹細胞移植などのメリット、デメリット、ご相談者の病態や体力などを総合的に検討し、主治医とよく相談して、治療法を選択することをおすすめします。

R-CHOP療法……リツキサン(一般名リツキシマブ)+エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)+アドリアシン(一般名ドキソルビシン)+オンコビン(一般名ビンクリスチン)+プレドニン(一般名プレドニゾロン)

フルダラ静注用には、再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫/マントル細胞リンパ腫の適応はない

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