腫瘍が残っている。様子を見ていて大丈夫?
低悪性度の非ホジキンリンパ腫(MALTリンパ腫)で、3A期と診断されています。抗がん剤治療(CHOP療法とリツキサンの併用)を受けて、腫瘍は小さくなりましたが、完全に消失させることはできませんでした。主治医からは、このまま治療はせずに様子を見る選択肢もあると言われました。抗がん剤治療も放射線治療もしないのは、体への負担を考えれば最も楽かもしれません。しかし、なんだか不安です。本当にこのまま様子を見ていてもいいのでしょうか。
(茨城県 男性 62歳)
A 経過観察も選択肢の1つ。気になるなら放射線治療を
MALTリンパ腫は進行が遅いため、場合によっては、治療をせずに経過観察となることもある病気です。抗がん剤治療で腫瘍をかなり小さくすることができたということですから、積極的な治療は行わず、様子を見るというのも選択肢の1つです。また、MALTリンパ腫は、抗がん剤治療で完全に消失しないことが多いため、治療後に経過観察となるケースも珍しくありません。
経過観察を選択した場合は、定期的に検査を受け、その結果に応じて治療法を選択していくことになります。問題となるのは、MALTリンパ腫が中悪性度へと移行した場合ですが、そのような変化がなければ、あまり心配しなくてもいいでしょう。
ただ、腫瘍があるのがわかっていながら、それと共存して生きていくのは、患者さんにしてみれば不安なものです。どうしても気になる場合には、体への負担が軽い治療法を受けるという方法もあります。
残っている腫瘍の広がりがある程度、限局していれば、放射線治療がいいでしょう。反対に広がっている場合には、リツキサンによる治療が考えられます。MALTリンパ腫は、どちらかというと限局していることが多いので、放射線治療が行われることがよくあります。