悪性リンパ腫の新薬、自分に使えるか

回答者:薄井 紀子
東京慈恵会医科大学付属第3病院 腫瘍・血液内科診療部長
発行:2012年3月
更新:2013年12月

  

中悪性度B細胞性リンパ腫でR-CHOP療法を受け、完全寛解に至りましたが、再発のことが心配です。万一再発したときは、1度使った治療薬は効かないことも多いと聞いています。一昨年トレアキシンという新薬が、発売されたと聞きました。今後再発した場合、このお薬は自分に使えるのでしょうか。

(東京都 男性 65歳)

A 再発治療の選択肢として期待できる

現在のところ、トレアキシンの適応は、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫とマントル細胞リンパ腫の2つのリンパ腫の再発・難治性の場合に限られています。中悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫については、トレアキシン単剤、およびトレアキシンとリツキサン併用での治験が進んでおり、今年か来年には、リンパ腫全体に使用できるようになるのではないかと予想されます。

トレアキシンは、単剤でも効果が高いため治療に使いやすく、副作用も少ないために、期待されている薬剤です。脱毛や吐き気など、患者さんが自覚しやすい副作用がほとんどないのも特徴です。このため、高齢者などに適した治療法になると思われます。

B細胞性非ホジキンリンパ腫の再発時の治療には、さまざまな有効な治療法がありますが、今後その1つに加えられるでしょう。患者さんにとっては、治療の選択肢が増えることになります。

R-CHOP療法=リツキシマブ+シクロフォスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン トレアキシン=一般名ベンダムスチン塩酸塩 リツキサン=一般名リツキシマブ

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